不眠
眠れたいのに眠れない…
眠気が全く来ない…
夜中に何回も目が覚めてしまう…
といった睡眠障害でお悩みの方
多いと思います。
眠れないのは脳が覚醒した状態と
西洋医学では位置付けていますが、
その脳は内臓の働きによって
栄養されているので、
内臓の働きが悪いと
脳が栄養を受けられず
神経が昂ったり、落ち込んだり
モヤモヤした状態になり
結果的に眠れない
といった症状が出ます。
東洋医学では、
頭や脳を診るのではなく、
どの内臓が弱っているのか?を
詳しく診ていくことで
内臓に働きかける経穴を用いて
磨き上げることで頭・脳の機能を
制御できれば不眠といった症状でも
対応できます。
このページでは不眠症に対する
西洋医学と東洋医学の見解を
ご紹介しております。
西洋医学の見解
不眠症とは、
入眠障害・中途覚醒・
早朝覚醒・熟眠障害
などの睡眠問題が1ヶ月以上続き、
日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・
食欲低下などの不調が
出現する病気のことです。
不眠の原因はストレス・
こころやからだの病気・
クスリの副作用などさまざまで、
原因に応じた対処が必要です。
不眠が続くと不眠恐怖が生じ、
緊張や睡眠状態へのこだわりのために、
なおさら不眠が悪化するという
悪循環に陥ります。
不眠症とは?
心配事がある時・
試験前日・旅行先など
さまざまな原因がありますが、
通常は数日から数週のうちに
また眠れるようになります。
しかし時には不眠が改善せず
1ヶ月以上にわたって
続く場合があります。
不眠が続くと日中に
さまざまな不調が
出現するようになります。
倦怠感・意欲低下・
集中力低下・抑うつ・
頭重・めまい・食欲不振など
多岐にわたります。
西洋医学の所見では、
①長期間にわたり夜間の不眠
②日中に精神や身体の不調を自覚して
生活の質が低下する
この2つが認められたとき
不眠症と診断されます。
不眠症のタイプ
不眠症は4つのタイプに分けられます。
①入眠障害…寝付きが悪い
②中途覚醒…
眠りが浅く途中で何度も目が覚める
③早朝覚醒…早朝に目が覚めてしまう
④熟眠障害…
ある程度眠ってもぐっすり
眠れたという満足感(休養感)
が得られない
日本人では5人に1人が
“睡眠で休養が取れていない”
“何らかの不眠がある”と回答しており
加齢とともに不眠は増加します。
60歳以上の方では約3人に1人が
睡眠問題で悩んでおり
不眠のため
睡眠薬を服用している方も
少なくありません。
東洋医学の見解
不眠は常に睡眠が
不足することを言い、
寝つきが悪い、すぐに目が覚めて
なかなか寝つけない。
甚しければ
夜通し眠れないなどの症状も含め
古典にも不眠に関する記述があります。
《内経》
「目不鳳」「不得眠」「不得臥」
《難経》「不寝」
《中蔵経》「無眠」
《外台秘要》「不眠」
《聖済総録》「少睡」
《和剤局方》「少寝」
《雑病広要》「不睡」
現代では「失眠」と称されます。
異常な暑さや寒さ、
不適当な寝具・
睡眠前の興奮性の飲料摂取・
精神的刺激や考えごとなどで
たまに睡眠が不足する場合は除きます。
また、疼痛・喘咳・瘙痒などで
眠れないものも除きます。
(1) 心陰虚と心腎不交
いずれも陰虚であるが、
心陰虚と腎陰虚の違いがあります。
・心陰虚
心陰が虚して心陽が旺盛になり
心神が不寧となるために生じる。
特徴:
心陰が慮して陽充が生じ、
陽が陰に入らないために
なかなか寝つけず
さらに眠っても夢を
よくみてすぐに目が覚め、
動悸・健忘・口や咽の乾燥感・
手足のほてり・潮熱・盗汗(寝汗)・
舌質が紅で乾燥・脈が細数など
を呈することである。
・心腎不交
労倦内傷などにより腎陰が虚し
心陰を滋養できないために
心火が亢盛となり
心火が腎に下交せず
心腎の水火が相互に
助け合わなくなって生じる。
《古今医統》
“有因腎水不足,
真陰不升,而心火獨亢,不得眠者。“
腎水不足によるものあり、
真陰は昇らずして、
心火独り亢じ、
眠るを得ざるものなり
とある通りである。
弁証の要点:
同じく心陰虚・
心火旺の症候はあるが
不眠がより甚しく、転々反側して
夜通し眠れないこともあり、
同時に頭のふらつき・耳鳴・
腰や膝がだるく無力・遺精などの
腎陰虚の症候がみられることである。
(2) 心脾両虚と胆気虚
いずれも虚証であるが、
病因・病理機序が異なる。
・心脾両虚
思慮過度・労倦などにより
心脾が損傷され、
脚気虚のために気血の生化が
不足して心血が補養できず、
心神不安となって発生する。
《類証治裁》
“思慮傷脾、脾血虧損、經年不寐。“
思慮は脾を傷り、
脾血虧損すれば経年寝れず
と記載されている通りである。
弁証の要点:
不眠とともに
動悸・健忘・四肢倦怠感・
元気がない・顔色につやがない・
味がないなどの
気血両虚の症候がみられることである。
・胆気虚
驚きや恐怖のために胆気が損傷し、
決断ができなくなり恐怖感があって
入眠できなくなって生じる。
弁証の要点:
恐ろしくて独りで寝ることができない。
寝ついても驚いて目が覚めやすい·
頭のふらつき・目まい・
びくびくするなどの
症候がみられることである。
(3) 肝胆鬱熱と痰熱優心
いずれも熱証・実証である。
・肝胆鬱熱
悩みや怒りで肝の硫池が失調し
肝鬱がつづいて化火するか、
酒食不節で湿熱が生じ
湿熱が肝胆に鬱滞して化火し、
火熱が神明を擾乱して
心神不安をきたし発生する。
特徴:
眠りが浅く夢をよく見て
目が覚めやすく、
いらいら・怒りっぽい・
胸脇部が張って苦しい。
ため息をつくなどの肝鬱気滞の症候や、
口が苦い・目の充血・尿が濃い
舌質が紅・脈が弦数などの
肝胆の熱証がみられることである。
・痰熱優心
脾虚あるいは脂っこいもの
甘いものの過食で湿が生じ
濃縮されて痰となるか
熱邪が裏に入って津液を濃縮して
痰が生じ、
痰熱が心神を援乱したために発生する。
特徴:
睡眠が浅く夢をよく見て
目が覚めやすいと同時に、
胸苦しい·多 悪心、画
吐·舌苔が黄賦,脈が滑数などの
熱疫の症状をともなうことである。
(4)心火と余熱擾膈
いずれも実証·熱証である。
・心火
心労のために
心火が充盛となり、
心神が不安となって発生する。
特徴:
不眠・多夢と同時に、
胸中の熱感・動悸・顔面紅潮
口が苦い・口内炎などの
心火の症候がよくみられることで、
心火が小腸に及ぶと
尿が濃く少量・排尿痛・排尿困難
などをともなう。
・余熱擾膈
熱病の後期で
余熱が残っている場合にみられ、
熱邪が心神を擾乱することにより
発生する。
特徴:
じっとしていられない
不眠・焦操感胸苦しい。
胸やけ・飢餓感などを呈する。
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