アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎は、
アレルゲンが鼻粘膜から侵入し
免疫反応が起こることによって、
鼻水・鼻づまり・
くしゃみなどの症状が
引き起こされる病気です。
東洋医学では、
直接呼吸に携わる肺だけでなく、
他臓腑の不調も
アレルギー性鼻炎の原因に
成り得るものだと捉えます。
当院では、
鼻周囲に何十本も鍼をするような
施術ではなく、
内臓に働きかける経穴
(主に手・足・背中)へ施術し、
御体全体の
バランスを調えることで
アレルギー性鼻炎といった
疾患でも診させて頂いております。
西洋医学の見解
アレルギー性鼻炎は、
アレルゲンが鼻粘膜から侵入し
免疫反応が起こることによって、
鼻水・鼻づまり・くしゃみなどの
症状が引き起こされる病気。
通年性アレルギー性鼻炎
(一年を通して症状が出るタイプ)と、
季節性アレルギー性鼻炎
(特定の季節に症状が出るタイプ、
いわゆる花粉症)とがあり、
両者を合併している人もいる。
近年、アレルギー性鼻炎に
罹患している人の増加と発症の
低年齢化が著しい。
・原因
原因として多いのが花粉です。
地域により差がありますが、
とくにスギ・ヒノキ花粉、
ハンノキやシラカバ、イネ科、
ブタクサなどの花粉が
原因となることが多くなっています。
これらの花粉は、種類によって
飛散する時期が異なります。
通年性アレルギー性鼻炎の原因としては
ダニやハウスダスト
(この中にはダニ、カビ、
ペットの毛などが含まれます)
などがあります。
・検査、診断
問診と診察を行います。
問診では、症状や発症年齢、
症状が出やすい時期、
家族歴や他のアレルギー疾患の
有無などを確認します。
また鼻粘膜の腫れの状態を
直接診察して確認します。
必要に応じ
X線検査を行うこともあります。
・原因を探るための検査
・血液検査
血液中のアレルゲン特異的IgE抗体
を検査します。
各種花粉やカビ、ダニ、動物、
昆虫などのアレルゲンについて
検査を行うことができます。
・皮膚プリックテスト
皮膚の上に直接アレルゲン液を置いて、
プリックテスト専用の針で
その部分の皮膚を軽く刺します。
刺した部位にできた
膨疹の大きさを測り、
IgE抗体の存在を確認します。
・治療
・抗原の除去
まずは原因となる
アレルゲンの曝露を回避します。
通年性アレルギー性鼻炎
室内の掃除をこまめにする、
カーペットや布張りのソファーを避けるなど、
ダニ対策を中心とした環境整備を行います。
・花粉症
花粉が飛散する時期に
マスクを付けて外出するなど
の対策も行います。
可能な場合にはフィルター等を用い、
室内へのアレルゲン侵入を
防ぎつつ換気を行います。
・薬物療法
飲み薬や鼻に直接投与する
噴霧薬などがあります。
飲み薬のうち、
抗ヒスタミン薬は主に
くしゃみや鼻水に効果があります。
眠気などの副作用が
少ないものを用います。
ロイコトリエン受容体拮抗薬は
鼻づまりに効果があると言われています。
ステロイド点鼻薬は、
直接鼻粘膜に噴霧し
粘膜の炎症を抑えます。
症状や重症度に応じて
これらの薬を組み合わせ
治療を行います。
・アレルゲン免疫療法
アレルゲン免疫療法は、
アレルギー性鼻炎を根本的に
治すことが期待できる唯一の治療。
アレルギーの原因となる
抗原を少しずつ体内に入れ、
反応を弱めていくことにより
症状を抑えていくことができます。
アレルゲン免疫療法には、
注射で行う皮下免疫療法と、
薬を舌の下に入れる
舌下免疫療法がある。
東洋医学の見解
・風邪侵入
風邪(花粉・ほこりを含む)と寒邪、
あるいは風邪と熱邪の侵入が
アレルギー性鼻炎の誘発因子となる。
これまで、透明な鼻水は
風寒邪気に原因すると考えられていたが、
鼻炎にみられる目の充血、目が痒い、
咽乾、舌尖紅などの臨床症状は
風熱邪気に起因するものである。
特徴:
・目痒・目赤
風邪が肺表に侵入すると、
「風は痒を主る」ため目が痒くなる。
風熱邪気が侵入すると
目が赤く充血する。
白晴 (鞏膜)は肺に属しているため、
アレルギー性の目症状は白晴部に現れる。
・鼻づまり
外邪が侵入する通路部 (鼻) における
正気と邪気の抗争で、
肺気は宣発できず流れが塞がれるため
津液が停滞して鼻腔がつまる。
・口渇
風寒邪気の侵入時には現れない。
風熱が侵入した場合に現れる。
治療:
疏風・散邪・通籔
・肺気虚
肺は鼻に開しており、
鼻症状と最も関連の深い臓腑である。
また、肺は「皮毛を主っている」ので
肺気が不足すると
肌表を防御する機能が失調し
(衛表不固)、
体表の勝理がゆるんだ (疏松) ところへ、
風邪が侵入する。
風邪の侵入により
肺の宣発粛降機能が
失調すると鼻の症状が現れる。
特徴:
・息ぎれ
気を主っている肺が虚したことによって
おこる症状である。
・カゼをひきやすい
体表の衛気が不足して腠理が開くため、
汗は自然に出、
外邪が入りやすい状態になる。
・咳嗽
肺の宣発粛降機能が
失調することによっておこる症状である。
・顔が白っぽい
気虚のため血も虚して、
顔面の滋養が足りないことを示す。
治療:
温補肺気・固表散寒
・脾気虚
脾は食物を消化し
「気血を生む源」である。
脾は鼻と直接通じていないが、
脾と肺は五行学説において
「脾 (土) は肺 (金) を生む」とされ、
母子関係にあるため
脾気虚が長びけば子臓にあたる
肺の気虚症状が現れる。
アレルギー性体質の患者、
特に子供の場合に、体力がない、
疲れやすい、顔色が白いなど
脾気虚の症状が鼻炎にともなって
みられることが多いのはこのためである。
特徴:
・食欲不振
脾の運化機能が低下する
ためにおこる症状である。
・腹部脹満
気が停滞するために腹がはって
ふくれたような症状がおこる。
・軟便
脾が虚して水穀の精微物質は
上昇できず、下へおりてしまう症状である。
・疲労無力
脾は筋肉・四肢を主っているため、
脾が虚して気血不足となると
筋肉四肢を滋養できず力がはいらない。
治療:
健脾益気・化湿開廢
・腎虚
肺は「呼気を主り」、
腎は 「納気を主って」 おり、
気の呼吸は肺と腎の働きによって
成り立っている。
腎が虚して納気機能が衰えると、
下に降ることのできない気は、
気(陽)の性質にしたがって
上へ昇り消耗発散されてしまう(陽気損傷)。
このため上部には肺気虚、
下部には腎陽不足の症状があらわれる。
特徴:
・足腰が冷えて痛む
腰は腎の府である。
腎の温煦機能の失調によっておこる。
・息ぎれ
腎の納気機能が失調した
呼吸の症状である。
・薄白な痰
腎気虚で気化作用が低下し、
水飲が上して痰飲となる。
・手足が冷える
腎の温照機能が低下したため
におこる症状である。
・耳鳴
腎は耳に開しているので、
腎気虚によって耳鳴が生じる。
・健忘
腎は骨を主り、髄を生じる。
髄精が不足し脳を栄養できないため、
もの忘れがひどくなる。
治療:
温腎・固腎・納気
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