無月経

 

無月経

月経が来なくなって
体調管理が難しいという方
多くご相談頂きます。

そもそも卵巣や子宮は、
内臓から作られた気血によって
潤い養われており、
その内臓の不調があると
卵巣や子宮もうまく栄養できず
結果的に月経の周期が乱れたり、
月経自体が止まってしまう
といった現象が起きます。

では、どの内臓の不調からくる
ものなのか?を考えた時、
人によっては胃腸の不調からくるもの。
人によっては肝胆の不調からくるもの、
他にも様々な臓腑の不調も考えられ、
卵巣や子宮に影響が出てきます。

東洋医学では、
婦人科の疾患だからといって
卵巣や子宮だけを診るのではなく、
五臓六腑を重視して診てゆきます。

※患部(陰部)を見たり、
触診したり、施術したりはしません。
あくまで五臓六腑に由来する
経絡経穴(手・足・背中など)
を中心に診てゆきます。

 

ここでは、
無月経に関する
西洋医学と東洋医学の
見解をご紹介致します。

 

西洋医学の見解

 

 

無月経は、
月経周期を認めない状態。

 

 

・生理的無月経

・病的無月経

 

 

に分類される。
ここでは病的な無月経について
説明して参ります。

 

 

 

 

病的無月経

 

視床下部、下垂体、卵巣、
子宮、腟の異常により
一時的、間欠的または永続的に
月経が消失した状態である。

 

 

長期の無月経は、
全身の健康状態の低下、
視床下部をはじめとする
中枢〜卵巣〜子宮系の
異常が存在すると考えられ、
検査ならびに対処が必要である。

 

 

 

 

原因

 

月経は卵巣から分泌される
女性ホルモンのエストロゲンと
プロゲステロンが
作用することで起こります。

 

 

2種類のホルモンの産生と分泌は、
脳の視床下部と脳下垂体からの
ホルモンによって調節されています。

 

 

無月経

 

 

この視床下部〜脳下垂体〜
卵巣〜子宮からなる
ホルモン分泌経路の
どこかが障害されると
無月経になってしまいます。

 

 

 

視床下部〜脳下垂体〜卵巣〜
それぞれからでたホルモンが
子宮に作用し、
血中のホルモンが
周期的に下がる時に
子宮内膜が剥がれ落ちる時に
起こる性器出血(消退出血)
が月経となります。

 

 

 

卵巣から卵が外に飛び出る(排卵)
が起き精子と出会うと(受精)
妊娠が成立し、
ホルモン濃度が維持されるので
月経が起きません。

 

 

 

つまり、
これまで周期的にあった
月経(生理)が来ない=妊娠成立
となるわけです。

 

 

 

妊娠以外の無月経の原因

 

・卵巣の働きが悪く
排卵ができない状態になっている。

 

・卵巣を支配している
脳下垂体からの性腺刺激ホルモン、
特に黄体形成ホルモン(LH)の
律動的分泌の乱れ

 

・脳下垂体を支配する
視床下部の働きの低下(視床下部性)

 

 

思春期での
続発性無月経の原因としては、

ストレスやダイエット、
激しい運動などによる
視床下部性無月経が
多いとされています。

 

 

 

 

診断

 

最初に、
基礎体温やホルモン検査
による評価をすすめ
超音波検査で子宮や卵巣の
器質的異常がないかを検査します。

 

 

・プロゲステロンの単独投与にて
消退出血が起こった場合を
第I度無月経といい、
エストロゲンの子宮内膜に対する
作用がある状態と評価します。

 

 

 

・プロゲステロンの単独投与では
消退出血が起こらなかった場合に、
プロゲステロンとエストロゲンを
投与して消退出血が起こった場合を
第II度無月経といい、
エストロゲンの子宮内膜に対する
作用がない状態をいいます。

 

 

 

・それでも消退出血が
起こらなかった場合を
子宮性無月経といいます。

 

 

 

 

治療


・第I度無月経

プロゲステロン製剤を
内服することで対応。

 


・第II度無月経

プロゲステロンとエストロゲンを
周期的に投与して
消退出血をおこす治療
(Kaufmann療法)を繰り返す。

 

 

この場合、長期間の投与ではなく、
3~4ヶ月の治療期間後、
休薬期間をおいて評価をしていく。

 

 

 

 

 

 

不妊

 

 

東洋医学の見解

 

 

経閉とは「無月経」のことで、
18才を超えて月経が発来しないもの
(原発性経閉)、
あるいは月経が発来したのちに
妊娠によらず
3ヵ月以上月経が停止するもの
(継発性経閉)を指し、
「停経」とも呼ばれる。

 

 

生理的な経閉は
思春期以前、妊娠期・授乳期・
絶経 (閉経) 後にみられる。

 

 

 

ごくまれには
「居経(3カ月に1度の月経)」
「避年(1年に 1度の月経)」
「暗経(一生無月経)」
といわれる妊娠が可能な経閉もある。

 

 

 

(1) 腎気虚と気血両虚

 

いずれも虚証だが
病因・病理機序が異なる。

 

 

腎気虚

先天の腎気不足による衝任の空虚や、
産後の出血過多による
精血の消耗のために生じ
比較的重症である。

 

 

特徴:
18才を過ぎても
月経が発来しないとか、
初潮の年令が遅かったとか、
分娩時、産海時の大出血といった
既往があり、
腰背部がだるく痛む・
頭のふらつき・耳鳴・
顔色が淡暗・脈が沈細などの
腎虚の症候をともなうことである。

 

 

 

気血両虚

脾虚・出血・寄生虫などで営血が虚し、
重度の栄養不良のために発生する。

 


特徴:

月経周期が延長し
経血量が少なくて次第に無月経となり、
元気がない・動悸・食欲不振・
脈が弱などの
気血不足の症候をともなうことである。

 

 

 

(2) 気滞血瘀

精神的刺激・生活環境の変化などで
肝気鬱結が生じ、衝任の気血が
硫通できなくなったために発生する。

 


特徴:

無月経で下腹部の張った痛みと
圧痛があり、
憂鬱・脇痛・いらいらなどの
肝鬱の症候をともなうことである。

 


(3) 痰湿

 

脾腎陽虚のために痰湿が生じ、
痰湿が衝任に停滞して
血脈の流通を阻害して発生する。

 


特徴:

無月経となったのちに次第に肥満し、
浮腫・無力感鈿胸が苦しい食欲不振・
帯下·舌苔が白賦などの
痰湿の症候がみられることである。

 

 

 

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