歯ぎしり

歯ぎしりとは
眠っている時に無意識に
歯を食いしばる行為をいいます。

そもそも何故歯を食いしばって
しまうのか?を考えた時、
普段、どういう時に
歯を食いしばるか?を
思い浮かべてみて下さい。
重たいものを持った時、
思いっきり走る時、
力を入れて何かをしている時に
歯をグッと食いしばると
力が入りやすいですね。
“力を入れる時”に
歯を食いしばるんです。

寝ている時は力一杯入れる必要はなく、
むしろダラーーも力が抜けているもの
なのですが、
寝ていても気が上手に抜けない方は
寝ている時に勝手に力んでしまう
ことがあります。

気を張ったり、抜いたり
コントロールする器官は
脳と西洋医学では捉えますが、
東洋医学では脳より内臓を重視します。
内臓の機能がしっかり働いていると
脳や体をしっかり栄養できるわけで、
内臓が弱ってくると体をうまく
養えなくなり、結果的に色んなところが
歪んできてます。

歯科では、
マウスピースを作成すること
が多く、歯の磨耗は緩衝できますが、
根本的に体の力が
抜けるわけではありません。

 

ここでは歯ぎしりに関する
西洋医学と東洋医学
の見解をご紹介致します。

 

西洋医学の見解

 

歯ぎしり

 

睡眠中に歯をすり合わせて
音を立てることを「歯ぎしり」といい、
睡眠中なので本人はほとんど気付かず、
家族等に指摘されて始めて
気づく方が多い。

 

音をたてず歯をかみ合わせて
ぐっと力を入れる事を
「食いしばり」といい、
左右均等に噛む場合や、
左右どちらかに力をいれて
噛む場合がある。

 

睡眠中以外にも、活動中に無意識に
くいしばっていることもあり、
何かに夢中になっていたり、
ストレスを感じる時など、
くいしばりが起こるきっかけは様々だが
ほとんど自覚していない。

 

このように、従来の歯ぎしりの定義は
寝ている間か無意識のうちに、
強い力で歯と歯を摺り合わせて
音をたてることだったが、
現在では、
覚醒時のさまざまな動作も含めて
「歯ぎしり」と
呼ばれることが多くなった。

 

歯ぎしり

 

ブラキシズム(口腔内の悪習慣)は、
主に上の3つに分類され、
グランディングやタッピングは、
音がするので家族に
指摘されることもあるが、
クレンチングは音がしないので
気付きにくく、
発見が遅れやすい。

 

 

原因

歯ぎしりの原因は
明確になっていないが、
ストレスや歯並びの乱れ、
咬み合わせ不良などが
要因と考えられている。

肉体的・精神的なストレスがたまると、
歯ぎしりをすることによって
発散していると言われている。

 

 

治療

歯ぎしりの治療法には、
生活習慣の改善・スプリント療法・
認知行動療法・薬物療法などがある。
就寝時にプラスチック
またはゴム製のマウスピース
(ナイトガードともいう)
を使用することで、
歯や顎関節にかかる負担を軽減する。

 

歯ぎしり

 

東洋医学の見解

 

噛歯(ごうし)とは、
上下の歯をこすり合わせて
ギシギシ音をさせることで、
「歯ぎしり」 に相当する。

古典の医書においては
さまざまな名称で記載されており
《金贋要略》《諸病源候論》
「齘歯
(かいし)」とあり、
唐宋以後にも「歯齗」 「齧歯」
「嘎歯」「嚙歯」「咬牙」
などと書かれている。

 

・外感風寒と心胃火熱

いずれも実証であるが、
表裏・寒熱が異なる。

 

外感風寒(表寒)

風寒の邪と正気が肌表で交争し、
悪寒戦慄とともに覚醒時に発生する。

 

特徴:
悪寒・発熱・頭痛・身体痛・
舌苔が薄白・脈が浮緊などの
表証をともなうことである。

 

治法:
疏風散寒・解表で、
麻黄湯加減を用いる。

 

歯ぎしり

 

心胃火熱

陽明の脈が歯中に入り
口を挟み唇を環るので、
火熱が絡に充盛となるために発生する。
一般に睡眠中にみられ、
つよい歯ぎしりである。

 

特徴:
焦燥感・口臭・口渇して
冷飲をこのむ・舌質が紅で乾燥・
脈が滑数などをともなうことである。

 

治法:
清泄胃火

 

 

・食滞と蛔虫

いずれも小児によく見られ、
夜間に歯ぎしりする。

 

食滞

不潔な飲食物・乳食による内傷などで、
飲食物が停滞して
気滞を生じるために発症する。

 

特徴:
食欲不振・消化不良・腹満・
やせる・大便が不調などである。

 

治法:
消食導滞・和中

 

 

蛔虫

発作性に臍周囲の疼痛が生じる・
多食・異食症・顔色が萎黄・
眼球結膜の藍点や藍斑・
顔面の白色虫斑・口唇内側の栗状小点
などの回虫による症候がみられるの
が特徴である。

 

治法:
駆虫を主に健脾化湿を補助

 

・虚風内動

慢性病あるいは温熱病でみられ、
腎陰虚で肝陽を
抑制できないために発生する。
肝は筋を主り、肝陰は腎陰により
滋養されるので、
老化・慢性病・七情内傷・
労倦・熱病の持続
などで腎陰が虚すと、
肝陽が亢進して化属する。

 

特徴:
両眼の乾燥感・目がかすむ・
頭のふらつき・耳鳴・
腰や膝がだるく無力・
動悸・頬部の紅潮・潮熱・五心煩熱・
疲労感・脈が虚舌質が紅・
舌苔が少ないなど
の肝腎陰虚の症候とともに、
歯ぎしり・しびれ感・振せん・
頭がゆれる 手足のひきつり・
甚しければけいれんや
四肢のひきつりあるいは
後弓反張などの動風の症候が
みられることである。

 

治法:
柔肝滋腎・ 育陰潜陽

 

 

歯ぎしり

 

・気血両虚

気血が不足して
筋脈が栄養されないために発生する。

 

特徴:
軽度の歯ぎしりとともに
息ぎれ物を言うのがおっくう・
呼吸が浅い・顔色が蒼白でつやがない・
口唇や爪が淡白・めまい感・
甚しければけいれん・
舌質が淡・脈が細弱などの
気血両虚の症候がみられることである。

 

治法:
益気養血

 

 

・熱極生風

急性発熱性疾患の経過にみられ、
小児に多い。

 

特徴:
高熱・煩躁・口渇して
冷たい飲物を欲する・顔面紅潮
口唇の乾燥・つよい発汗・
便秘・尿が濃い、
あるいは腹満腹痛と
圧痛・便秘がみられ、
舌質が紅・舌苔が黄で乾燥あるいは
黄厚で芒刺・脈が弦数あるいは
洪大で数、あるいは沈実で数、
あるいは滑実有力で数などの
熱盛の症候がみられることであるが、
以下の3型を区別する必要がある。

 

肝経熱盛

軽症では頭のふらつき・
目がくらむ・情緒不安定などを呈し、
重症では突然の筋肉のひきつり・
顔面神経麻痺・半身不髄・
後弓反張・甚しければ
意識障害などがみられ、
脈が弦数有力を呈する。

 

治法:
平肝熄風

 

 

陽明気分熱盛

高熱・激しい口渇・つよい発汗・
脈洪大などを呈する。

 

治法:
清気分熱

 

 

陽明熱結腑証

痞え・腹満腹痛・便秘・
舌質が紅・舌苔が黄で
乾燥などがみられる。

 

治法:
通腑瀉熱

 

 

心胃火熱

焦躁感・口臭などが主体で、
同じく熱証を呈するが、
本証のように高熱や動風はみられない。

 

 

 

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