手根管症候群(正中神経麻痺)
手根管症候群は下記にも書いてあるが
妊娠・出産、
更年期の女性に多い疾患で、
ホルモンバランスが関係している
のではないかと考えられている。
女性は妊娠や出産・閉経を迎えるに
あたり、体質が大きく変わります。
体質の変化に伴い、内臓の働きも
大きく変化せざる得なくなります。
東洋医学では、全身に五臓六腑から
発する経絡という気の走行が流れており
内臓の不調が経絡を伝い、
痛みや痺れの信号を出します。
なので、東洋医学では
手根管症候群といった疾患でも
内臓からくる痛みや痺れと
捉え、内臓に響かせる経穴を用いて
手根管症候群の改善に臨みます。
ここでは手根管症候群に対する
西洋医学と東洋医学の
見解をご紹介致します。
西洋医学の見解
手根管症候群(正中神経麻痺)とは、
手の神経が圧迫を
うけることで生じる病気。
手には3本の大きな神経があり、
手の真ん中を通る神経を
正中神経という。
この神経は手首の掌の部位で
骨と靭帯に囲まれたトンネル(手根管)
を通るが、この空間で慢性的な圧迫を
神経が受けることで神経が障害され
親指、人差し指、中指、
薬指の親指側に痺れが出てくる。
これらの症状は朝、
目を覚ました時に強く、
ひどい時は夜間睡眠中に痛みや
しびれで目が覚める。
手を振ったり、指の運動をすると
楽になることもある。進行すると
母指球筋(親指の付け根の筋肉)
がやせてきて、
細かい作業が困難になってしまう。
原因
手根管の中を通る
正中神経が圧迫されることで発症。
妊娠・出産、更年期の
女性に多い傾向にあり、
これは女性ホルモンが減少することで
滑膜炎になり、むくんでしまうことが
原因と言われている。
また、透析している方は
アミロイドという物質が
沈着することで、
手根管症候群になると言われている。
治療
手根管症候群では、
それぞれの症状や進行程度によって、
治療が異なるが、
まずは患部の安静が大切で、
必要に応じて装具を夜間に着用する。
ビタミンB12や消炎鎮痛剤の内服
などによる治療を行う。
また、痛みやしびれ感が
強いケースでは、
患部へのステロイド注射を行う。
これらの治療でも
効果が得られない場合や
母指球筋がやせて
衰えてしまった場合は、
手術を検討する。
手術では、小切開を行い
正中神経の圧迫を取り除く。
東洋医学の見解
手指攣急とは、手指がひきつって
屈曲したまま伸展できないが、
上肢の他の部分は
自由に動くことを言う。
俗に「鶏爪風」 と呼ばれる。
血虚・血燥
両者とも
陰血の不足によるものであるが、
病因・病理機序・症状・
治法に違いがある。
血虚
虚弱体質や吐血・下血・
産後の出血多量などの出血のあと
あるいは多産などによって
営血が虚して筋脈を濡養することが
できないために発生する。
特徴:
発症が緩慢で、まずしびれ感があって
手指のひきつりが生じ、頭のふらつき・
めまい・動悸・顔色が萎黄などの
血虚の症候を呈することである。
治法:
養血舒筋
血燥
熱病の後期の陰血の消耗
あるいは肝気鬱結による傷陰化燥などで
筋膜が栄養されず
乾燥したために発生する。
特徴:
まず手指の灼熱感があって
手指のひきつりが生じ、
皮膚や毛髪の乾燥・皮膚の瘙痒・
口渇・焦燥感 便秘などの
血虚・津虚の症候を呈することである。
治法:
潤燥養血・柔筋
寒湿
寒邪は収引凝滞の性質があり、
寒邪が筋脈を犯すと身体や
関節がひきつって屈伸不能となる。
寒証には内寒と外寒の別があり、
外寒に湿邪をともなう場合にも
偏寒・ 偏湿の違いがある。
外寒
手指を長時間寒冷にさらしたり、
水中で作業したなどの
明らかな外因がある。
特徴:
手指のひきつりに腫脹・疼痛・
皮膚が蒼白あるいは
青色などをともない、
寒冷によって症状も
はげしくなることである。
寒邪に偏するときは疼痛がつよく、
湿邪に偏するときは
腫脹(むくみ)がつよい。
治法:
散寒湿・舒筋脈
内寒
慢性疾患により臓気がして
腎陽に及び、腎陽虚のために
経脈の温通ができなくなって発生する。
特徴:
慢性疾患の経過に出現し、
手指のひきつりと疼痛があり、
夜間に増悪する・寒がる四肢の冷え・
温めると症状が軽減するなどを
呈することである。
治法:
温腎陽・舒筋脈
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