便秘

 

生理痛

便秘は辛いですよね。
お腹がモヤモヤして
いい気分ではありません。
「大腸の働きを整える乳酸菌!」
「生きて大腸にまで届く!」
とかいう謳い文句を良く聞きますが
それでも出ない!という方も
いらっしゃると思います。

そもそも
“便秘は大腸だけの問題なのか?”

というところから始まります。
東洋医学では、内臓は皆連携して
働いていると考えます。
大腸はウンチを出してくれる腑で
とても長〜い腑でもあります。
お腹の中には色んな臓器がありますが、
みんな密接しているため、
他臓腑の不調で大腸の動きが

緩慢になってしまう事は多々あります。
その為、整腸剤を飲んでも
大腸に働きかけても効かない
ということも
多々見受けます。

 

便秘の際は、
大腸の動きを診ることも大事ですが、
他臓腑の動きも診て、どの臓腑との
連携がうまくいっていないのか?
を診ることも大事になってきます。

ここでは、そんな便秘症に対する
西洋医学と東洋医学の見解を
ご紹介しております。

 

 

 

西洋医学の見解

 

 

 

排便が順調に行われていない状態を
便秘といい、数日に1回しか
排便されない場合は便秘と考えられますが、
単に排便回数だけで決まるのではなく、
1回の排便量が少ない、
便が出にくい、残便感がある
という場合も便秘と考えられます。

 

 

 

現在、女性では20~60歳代の方の
50%以上が便秘で悩まされております。

また、高齢の方においては、
年齢を重ねるごとに
便秘の悩みが急増します。

 

 

 

便秘はメカニズムによって
機能性便秘と器質性便秘
に分けられ

 

 

 

機能性便秘はさらに

・弛緩性便秘
・痙攣性便秘
・直腸性便秘

 

 

の3つに分けられ、
器質性便秘と合わせて
全部で4種類に分類されます。

 

 

 

便秘

 

 

 

機能性便秘

 

自律神経のバランスが崩れ、
大腸が機能不全を
起こしたことによる便秘です。
食生活や生活習慣が原因で起こり、
日常生活の改善で
便秘も快方に向かいます。

 

 

 

一般的に「便秘」
と呼ばれているものは、
この機能性便秘の中、
次の3つのどれかに
該当する場合がほとんどです。

 

 

 

 

①弛緩性便秘

 

 

食物繊維の不足や運動不足、
腹筋力の低下が原因で
大腸の運動機能が低下して
腸の中で長い間、
便が留まることによって起こります。

 

 

 

 

 

②痙攣性便秘

 

 

大腸の過緊張により
蠕動運動が強くなり過ぎて
腸がけいれんを起こし、
便の輸送に障害をきたしている状態です。
大腸の働きを調節する
自律神経がバランスを
崩すことによって起こります。

 

 

 

 

③直腸性便秘

 

 

便が直腸に到達しても便意を催さず、
直腸内に留まってしまうために
起こる便秘です。
便意を我慢したり、
浣腸などを濫用したりすることで
排便のリズムが崩れた人などに起こります。

 

 

 

 

器質性便秘

 

 

胃や小腸、大腸、肛門
などに何らかの疾患があり、
それが原因で
便秘になっている状態をいいます。

 

 

 

 

 

 

治療

 

 

生活習慣の改善が基本。
規則正しい生活を心がけ、
生活リズムを整えることで
自律神経が整い、
排便を規則正しく行うことにつながります。

 

 

 

また、便意を我慢せず、
便意を感じた時にトイレに行く
ようすることも大切です。

 

 

 

排便を我慢することが多いと、
便秘症が悪化しやすくなります。

 

 

 

また、適度の運動を行うことも大切です。
運動を行うことで、
腸の動きが促されます。

 

 

 

食習慣に関しては、
3食規則正しく摂取し、
特に朝食の摂取は体内リズムを整え、
胃や腸を刺激し、
排便反射を促しやすくします。
朝食後にトイレに座る習慣をつけると
排便習慣が整えられやすくなります。

 

 

 

また、水分をしっかりとることで、
便がやわらかくなり、
排便がしやすくなります。

 

 

 

 

 

 

生理痛

 

 

東洋医学の見解

 

 

 

大便秘結とは
糞便が腸管内に停滞して
4~7日も排便がないことで、
「便秘」 と簡称される。

 

 

 

 

古典医書

《傷寒論》
「大便難」「脾約」
「不大便」「不更衣」
「陽結」「陰結」

《活人書》
「大便秘」

 

金元時代
「虚秘」「風秘」「気秘」
「熱秘」「寒秘」 「湿秘」
「熱燥」 「風燥」
などに分類されている。

 

 

 

 

(1) 胃腸実熱の便秘

 

 

陽明腑実証の便秘で、裏実熱であり、
臨床的には三種の原因がある。

 

 

 

①傷寒で寒邪が化熱して
陽明の腑に伝入したもの

 

 

 

②温病で熱邪が
気分に伝入して腸胃に結したもの

 

 

 

③辛辣なものを過食して
腸胃に熱が積集したもの

 

 

 

 

いずれも熱邪が
陽明の胃腑に侵入して

津液を損耗し、胃腸が熱によって
乾燥して
便秘となる。

 

 

 

 

傷寒と温病の燥屎形成は
高熱性疾病の経過にあらわれるが
燥屎があるか否かを弁別するには
次下に述べる点に留意すべきである。

 

 

 

 

① 陽明病の熱型として、
陽明経が主る時刻すなわち
夕方に潮熱があること。

 

 

 

 

② 腹部症状として
持続性の腹満・腹痛・圧痛があり、
燥屎を瀉下して除去しなければ
解消しないこと。

 

 

 

 

③ 汗が出て止まらないこと。
汗が多量に出ると、
津液が消耗して胃腸に潤いが
なくなるため
大便が鞭 (硬い) となり、
多汗が燥屎形成の重要な一因である。

 

 

 

 

④譫語(うわでと)をともなう。
陽明附実証では、腸管内に燥屎があるために
腑気か通じず、濁気が上昇して
意識を障害するためである。

 

 

 

 

温病の腸胃結実も
病理は同一であるが、
温邪によるものであるから
津液の損傷はさらに強く、
進行も速くはげしい。

 

 

 

 

辛辣で味の濃いものを
好んで食して腸胃に積熱を生じる場合も、
積熱が津液を消耗して
胃腸の燥結をきたす機序は同じであるが、
外感病と異なり進行は緩慢である。

 

 

 

 

(2) 肝脾気滞

 

「気秘」のうちの気滞の便秘に相当し、
実証の便秘である。

 

 

 

内傷七情による臓府機能の停滞・
長期間坐ったままで
あまり動かないための臓賂機能の失調・
各種の原因による胃気上逆や
肺気の宣散粛降の失調などは
気滞と昇降失調を生し、

 

 

 

《素問》
「諸気積醇はみな肺に属す」

 

 

とあるように、
肺の宣散粛降を失調させて
大腸の気滞をひきおこし、
糟粕が停滞して便秘を生じる。

 

 

特徴:
数日間の便秘があり、
抑うつ感・ため息・
胸脇部が張って苦しい・乳房が張る
などの肝鬱の症候や、
噯気・唱気・悪心など胃気上逆の症候、
咳嗽・呼吸困難などの
肺気上逆の症候がみられ、
舌苔は白あるいは
白膩を呈することである。

 

 

 

 

生理痛

 

 

 

(3) 脾肺気虚

 

 

「気秘」のうちの気虚の便秘に相当し、
「虚秘」 である。

 

 

 

中気下陥(脾気下陥)を主とするもので、
経産婦や気虚の人にみられることが多い。

 

 

 

脾気が下陥したために
大腸は糟粕を伝送する力が弱くなり、
肺気が虚して大腸に津液が輸布されず
伝導機能も弱くなり、
糟粕が長期間停滞して便秘となる。

 

 

 

特徴:
数日間排便がないのに
腹部に苦痛がなく、
排便時に汗が出て息ぎれする。

 

 

 

排便後の疲労・脱力感・
甚しければ脱肛などを呈することである。

 

 

 

糞便の形にも特徴があり
粗大で円柱状を呈する。

 

 

 

《清代名医医話精華・余聴鴻医話》
「巨糞骨のごとし」と述べられ弁証の助けになる。

 

 

 

 

(4) 脾腎陽虚

 

虚弱な老人にみられる。
腎陽虚で命門の火が衰えて
大腸の伝導が弱くなるために生じ、
気虚から発展することも多い。
また腎は二便を司るので、
頻尿によって大便の津液が不足するのも
原因のひとつであり、
夜間多尿や尿後の余遷も軽視できない。

 

 

 

特徴:
顔色が青黒い四肢の冷え、
寒がる寒冷を嫌う・
尿量が多くうすいなどの
慢性の陽虚の症候がみられることである。

 

 

 

 

 

(5) 血虚陰虚

 

熱病の後・汗吐下や利小便・胃熱
などによる津液の消耗、
不正性器出血などの失血によって、
陰津・陰血が欠乏して
消化管内を滋潤できないために
糞便が腸管内に渋滞して発生する。

 

 

 

特徴:
咽の乾燥・るい痩・眼窩の陥没・
皮膚の弾力性低下・舌質は紅で乾燥
舌苔は少なく乾燥・脈は細数で無力
などの津虚の症状や、
顔色につやがない・不安感・頭のふらつき
口唇や爪が淡白・舌質は淡・
舌苔は薄で少ないなどの
血虚の症状がみられることである。

 

 

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