膀胱炎

膀胱炎

膀胱炎は女性の方に
多く見受ける疾患です。
西洋医学では女性の方が
尿道が短いから細菌が入り易い為
膀胱炎になりやすいと言ってます。
物理的には確かにそうなんですが、
もともとの体がしっかりしていれば
細菌が侵入してきた時点で
退治するようにプログラムされている
わけで、何かしら疲れやストレスから
免疫力が弱っている時に
細菌の侵入を許すと
容易に膀胱炎にかかってしまいます。

膀胱炎の治療、ないしは
膀胱炎を予防するには
体本来の力をつける必要があり
膀胱や腎臓だけの問題ではなく、
他臓腑との連携を円滑にすることで
体の力(免疫力)を強化できれば
膀胱炎を繰り返さずに済みます。

なので、患部だけの問題ではない為、
患部(デリケートゾーン)を見たり
触診したり、患部に施術は致しません。
臓腑にまつわる経穴
(主に手・足・背中など)
に施術することで腎ー膀胱の
働きを扶けます。

 

 

ここでは膀胱炎に関する
西洋医学と東洋医学の見解を
ご紹介致します。

 

 

 

西洋医学の見解

 

膀胱に炎症が起きる病気。
その多くは細菌が
尿道を逆上って膀胱に入り、
膀胱内で増殖することによって生じる。

女性が膀胱炎になりやすいのは、
尿道が短いため、
細菌が膀胱内に侵入しやすいから。

女性にとっては一般的な病気で、
誰でもかかる可能性がある。

細菌の侵入と増殖が原因で
起きる膀胱炎(単純性膀胱炎)以外に
ウイルスや排尿障害・前立腺肥大・
尿路結石・腫瘍などに起因して
生じる膀胱炎がある。

 

複雑性膀胱炎の場合、
感染原因や治療方法は
単純性膀胱炎とは全く異なり、
まずは根元にある疾患の治療が必要

 

 

膀胱炎

 

・単純性膀胱炎

2040代の性的活動期の
女性が最も多く発症し
また、閉経後の女性も
女性ホルモンが低下するため、
膣の常在菌である乳酸菌が減少し、
直腸内の細菌が
侵入しやすくなることで
罹患する傾向が強い。

原因となる菌は、
グラム陰性桿(かん)
(グラム染色という方法により
ピンク色に染まる細胞)
である大腸菌が約70%を占める。

 

そのほか、プロテウス菌、
肺炎桿(かん)菌、腸球菌などがある。

 

 

・複雑性膀胱炎

下部尿路(膀胱から尿道までのこと)
の基礎疾患に伴って
尿流(尿道を通る尿の流れ)
が妨げられたり、
カテーテルが長期間留置されたり、
全身状態の低下などを
原因として発症する。

 

排尿を妨げる
器質的基礎疾患としては、
「前立腺肥大症」
「神経因性膀胱」
「膀胱結石」などが挙げられる。

 

これらにより、
尿流の低下や残尿の増加がみられると、
排尿効率が悪くなり、
尿による膀胱の洗浄効果が落ちて
感染しやすくなる。

 

また、糖尿病、ステロイド剤
などの長期間にわたる服用も、
体の感染防御機能を低下させて
感染の原因となる。


一般的には自覚症状はなく、
慢性的に膿が混じった膿尿と、
細菌が混じった細菌尿の症状が
みられるだけの場合が多い。

 

ただし、基礎疾患が悪化した場合、
急性の「腎盂腎炎などを併発して
重篤になることもあるので、
注意が必要。

 

原因となる菌は、
グラム陰性桿菌が多いが、
約半数の患者さんが
複数の菌に感染する。

 

特に、カテーテル留置中は
緑膿菌、メチシリン耐性ブドウ球菌、
拡張型βラクタマーゼ産生菌などの
複数の薬剤に対して
耐性を持つ細菌もよくみられる。

 

膀胱炎

 

・間質性膀胱炎

原因不明で発症する
非細菌性の慢性炎症性膀胱疾患。
尿が膀胱の粘膜にしみやすくなり、
間質(細胞の間に入り込む、
血管や神経など結合組織のこと)
炎症を起こす。

 

その結果、
膀胱に既存の血管から分岐して
新しく形成された新生血管が
集まっていたり、
潰瘍が発生したりする。

 

膀胱痛がひどく、
膀胱が小さくなってしまうこともある。

 

 


治療

細菌感染によって起こっていて、
8割以上は
大腸菌によるものとされている。
細菌感染が原因のため
抗生物質による治療が有効。
薬剤耐性菌が増加しているため、
薬剤感受性検査で効果が見込める
抗生物質を特定する必要が
生じるケースもある。

 

また、水分補給や冷えの解消、
尿意があったら我慢しない
などを心がけることで
再発を防ぐ必要がある。

 

 

 

東洋医学の見解

 

小便疼痛は
「尿痛」
「淋証」ともいい
排尿時に尿道の疼痛が生じることであり
刺すような痛み・灼熱性の痛み・
しみるような痛み・しぼるような痛み
などさまざまな疼痛があり、
同時に排尿困難をともなう。

 

《素問》
「淋」 「淋閥」

 

 

《金匱要略・五臓風寒積聚病脈証並治》
「淋秘」

 

 

《中蔵経・論淋瀝小便不利》
「淋」
「冷・熱・気・労・ 砂・虚・実」
8種に分類

 

 

《諸病源候論・淋病諸候》
「石淋」 「気淋」 「膏淋」
「労淋」 「熱淋」「血淋」「寒淋」
に分けている。

 

 

《素問玄機原病式》
「小便渋痛」

 

 

《景岳全書・閉論治》
「溺管疼痛」
本症と「小便不利」 「小便不通」
は異なり
小便不利とは、
尿量の減少あるいは無尿で
排尿が困難なことで、
疼痛をともなうとは限らない。

 

小便不通とは、尿の排出障害で、
排尿通はないか軽度である。
本症は排尿時の尿道通が主であり、
小便不利・小便不通をともなう
場合もある。

 

 

 

・下焦湿熱

脂っこいものや甘いものの
過食酒癖などで湿熱が生じて
下焦に下注したり、
湿熱の邪を感受して発生する。

 

特徴:
尿が濃い・口が苦い・口渇・
胸苦しい・食欲減退・
便がすっきり出ない
などを呈することであるが
排尿痛に関しては
以下のような状況がある。

 

血淋

湿熱が膀胱に下注し、
血熱が安行したもので、
排尿時の熱感・疼痛と血尿がみられる。

 

治法:
清熱利湿・涼血止血

 

膀胱炎

 

②膏淋

湿熱が膀胱に下注し、
膀胱の気化が失調して
清濁が分けられなくなったもので、
排尿時の熱感・疼痛とともに
米のとぎ汁様の混濁尿がみられる。

 

治法:
清熱利湿・分清泌濁

 

 

石淋

湿熱が下注して
尿を濃縮し石を形成したもので、
排尿時の刺痛・排尿困難とともに
結石
の排出がみられる。

 

 

治法:
清熱利湿・通淋排石

 

 

・心火

内傷七情で心火が盛になり、
心火が小腸に熱を移したために
発症する。

 

 

特徴:
尿が濃く排尿時に灼熱性疼痛があり、
口内炎 焦躁感・不眠・舌尖が紅などを
呈することである。

 

 

治法:
清心瀉火

 

 

・下焦血瘀と肝欝気滞

いずれも実証。

 

下焦血瘀

外傷の気滞血瘀・寒邪侵入
による蓄血証などで、
瘀血が下焦に停滞し、
血が循経せず溢血し、
膀胱の気化が失調して発症する。

 

 

特徴:
排尿時の刺痛・鈍痛があり、
灼熱感はともなわず、
血尿を呈し、下腹部の張った痛み・
肌膚甲錯・口唇が紫暗・
舌の点脈が沈細渋などの
血瘀の症候がみられることである。

 

 

治法:
温陽化瘀・通淋

 

膀胱炎

 

・肝欝気滞

悩怒などで肝気欝結・化火し、
気火が下焦に欝して
膀胱の気化を失調させて発生する。

 

特徴:
排尿痛は排尿困難が主体であり、
壮年で元気な人によく見られ、
情緒の変動によって誘発し、
頭痛・目まい感・口が苦い・
腹満などの症候をともなうことである。

 

 

治法:
疏肝理気・通淋

 

 

・腎陰虚

房室不節 熱病傷陰などで
腎陰が虚し、内熱により
膀胱の気化が失調して
清濁不分の「膏淋」を生じたり、
陰虚火旺で血熱妄行の
「血淋」を生じる。

 

 

特徴:
排尿痛が軽度であり
灼熱感をともない、咽の乾燥・
頬部の紅潮・潮熱・盗汗・
頭のふらつき・
耳鳴など
を呈することである。

 

 

治法:
滋陰降火

 

 

 

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