鬱病、自律神経失調症

鬱病

鬱病や自律神経失調症でお悩みの方も
多く診させて頂いております。

東洋医学では、
鬱病や自律神経失調症といった
精神疾患でも、内臓の不調から
くるものと捉えます。
というのと、身体の状態と精神状態は
表裏一体なので、
気持ちがクヨクヨ沈んでると
体も不調に陥り、
体の調子が良くない状態が続くと
モヤモヤ悩む時間が長くなり
精神的に病んでしまうからです。

内臓は全身のあらゆる器官へ
気血を送り栄養しています。
内臓が不調に陥ると、体を正常に
栄養できず、先に述べた体の不調から
精神が病んでくるパターンと、
ショックなことや悲しいことがあると
“心を痛める”
“胸にポッカリ穴が空く”といった
比喩の言葉があるように、
内臓に影響します。
内臓が不調に陥ると、
前述のような流れになってしまいます。

鍼灸では、
その内臓の働きを扶けることで
体のケアを優先します。
体がスッキリすれば気持ちも晴れる
ので、精神疾患でも体から
アプローチすることで改善可能だと
考えております。

 

ここでは、
鬱病・自律神経失調症に関する
西洋医学と東洋医学の
見解をご紹介致します。

 

 

 

西洋医学の見解

 

 

うつ病は気分障害の一つで

・一日中気分が落ち込んでいる
・何をしても楽しめない

 

といった精神症状や

 

・眠れない
・食欲がない
・疲れやすい

 

といった身体症状が現れ、
日常生活に大きな支障が生じている場合、
うつ病の可能性があります。

 

 

気分障害には、うつ病の他に、
うつ病との鑑別が必要な
双極性障害(躁うつ病)
などがあります。

 

 

うつ病では
うつ状態だけがみられますが、

双極性障害はうつ状態と
躁状態(軽躁状態)を繰り返す病気です

 

 

 

腰痛

 

 

最近では
うつ病に関する認識が広まり、

その頻度の多さから
『心の風邪』
と呼ばれることもあります。

 

 

しかし、
からだの風邪とは違い、

うつ病になった環境の中で
生活を続けていると、
自然に改善するのは
非常に難しいという特徴があります。

 

 

 

 

また、からだの風邪は
放置しても重症化することは稀ですが、
うつ病の場合には
時間の経過とともに
重症化することがあります。

 

 

 

このような理由から、
抑うつ状態が持続する場合には、
できるだけ早く
治療を開始したほうがよいと
考えられています。

 

 

 

 

 

 

耳鳴り

 

 

治療

うつ病・抑うつ状態の治療には

 

①休養

②薬物療法

③精神療法
(心理療法、カウンセリング)

 

という組み合わせで行なわれます。

 

 

多くの場合、
仕事などのストレスの原因から遠ざかり、
心身ともにゆっくりと
休養することを指示したうえで、
抗うつ薬などを使用します。

 

 

 

そして、薬の効果が表れたのちに、
再発を予防するための
心理教育や認知行動療法などを行います。

 

 

うつ病の症状は精神面だけではなく、
身体面にもあらわれます。

 

 

 

 

 

①休養

 

休養をとることは、
うつ病からの回復に非常に重要な治療方法です。

 

 

うつ病になるとき、
さまざまな要因が重なり合い、
心も体も疲れ果てている状態です。

 

 

休むことは悪いことではありませんし、
「何かやらなければ」
と焦ることもありません。

 

 

まずは十分な休養をとることは、
うつ病の治療の
どの段階においても重要です。

 

 

 

 

②薬物療法

 

 

うつ病の薬物療法では、
日本で主に用いられるSSRI
(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や
SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン
再取り込み阻害薬)
と呼ばれる
「抗うつ薬」を使用します。

 

 

 

しかし、うつ病の治療には
抗うつ薬に合わせて
休養による治療が欠かせません。

 

 

なぜなら、抗うつ薬は
飲んですぐに効果が出るわけではなく、
服薬を継続(一般的には2~4週間)
の必要があります。

 

 

そのため、
効果のピーク(約8週間目)までは、
無理をせずに仕事を減らしたり、
休養をとるなど、
脳や体の疲れを癒やし、
エネルギーの消耗を防ぐ必要があります。

 

 

 

薬を飲みながら
無理をして働いたりしては、
いくら良い薬でも
十分な効果をあげられないのです。

 

 

 

 

③精神療法

 

うつ病の治療は
休養や薬物療法に加え、
うつ病の原因を把握し、
再発を防ぐことが大切です。

もっとも一般的なものに
「認知行動療法」と
「対人関係療法」があります。

 

 

認知行動療法

これまでのマイナス思考と
させる物事の捉え方や考え方を
改善させるほか、
日常生活や仕事において
楽しみや達成感を感じる
行動を自ら増やし、

悪循環を断ち切る方法を学ぶ療法です。

 

 

 

対人関係療法

うつ病を引き起こす要因となった
対人関係となる問題を解消し、
ストレスを軽減するものです。

 

 

 

うつ病のきっかけとなる
ストレスはさまざまな要因で起こるため、
そのストレスや悩みをサポートしたり、
捉え方や考え方を見直していくことで、
治療を進めます。

 

 

 

 

 

 

東洋医学の見解

 

 

 

「凡そ病は、
鬱によりておこること多し」

 

 

といわれるように、
精神的な要素による疾患は非常に多い。

 

 

中医学における病因学のうち、
七情 (喜・怒・愛・思・悲・恐・驚)
は重要な発病原因とされている。

 

 

 

中医学の「鬱証」は
西洋医学の 「鬱病」にくらべ
範囲が広く、

自律神経失調症、心身症、
神経症、神経衰弱、更年期障害、
不眠症、痴呆症など
多くの病症を包括している。

 

 

 

さらに別疾病に随伴する惨症状も、
すべて鬱証の弁証論治を
摘要することができる。

 

 

 

 

古典に
「鬱とは滞りて不通の意なり」
とあるように、
鬱とは何かが鬱結した状態である。

 

 

 

朱丹渓 (元代) は鬱証を分類し、
「六鬱学説」を提唱した。

 

 

 

六鬱のうち、
最も多く発症するものは気鬱で、
他の機も気響とともに現れるため、
理気法は徽証に対する
最も基本的な治療法であるといえる。

 

 

めまい

 

 

 

(1)肝気鬱結

 

肝は春の樹木のように
のびのびと生長、発散、疎泄
できる状態を好み
鬱した状態を嫌う。

 

憂鬱、怒り、ストレスなどの
精神的な要素によって
肝の硫池機能は失調し、
肝気のめぐりが停滞し、
肝気鬱結(気鬱) が生じる。

 

 

 

肝気は鬱結して長びくと化熱し、
肝火となって上昇して心火
(五行学説では肝の子臓にあたる)
に影響が及ぶと、
心肝火盛の状態(熱鬱)となる。

 

 

肝気が停滞して
血を推動する力が弱まると、
血が滞って血瘀の症状(血鬱)が現れる。

 

 

特に肝は蔵血を主る臓腑であるため、
肝機能の失調は
血の運行に影響を与えやすい。

 

 

肝木は脾土を克する関係にある。
このため肝気畿結は
脾胃の運化機能を低下させ、
痰湿の停滞(痰鬱・湿鬱)をまねく。

 

 

飲食の運化ができない場合は、
食物の停滞 (食滞)が生じる。

 

 

このように肝気鬱結は
鬱証の主要な原因である。

 

 

初期段階では
実証に属することが多く、
治療は疏肝理気の方法を中心に用いる。

 

 

 

 

(2)心脾両虚


肝気鬱結の状態が長期化すると

体内の各臓腑に影響し、
特に脾気と心血の損傷が現れる。

 


脾は気血を生む源である。

肝鬱により脾の運化機能が失調すると
気血不足がおこる。

 

 

肝は血臓であるために
長期にわたる肝鬱は
肝血を消耗すると同時に、

肝の子臓である心血も不足する。

 

 

心血虚によって
心の蔵神機能が影響をうけると
精神的な症状が悪化する。

 

 

 

肝と腎の二臓は
「肝腎同源」ともいわれ、
特に関係が深い。

 

 

長期的な肝血虚は腎精虚をまねき、
肝腎不足、特に肝賢の陰虚症状が
みられることになる。

 

 

肝腎陰虚は老人性の鬱証に多くみられ、
治療は腎から考える必要がある。

 

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