味覚障害
コロナの影響か、
味覚障害のご相談増えてます。
そもそも味覚障害はなぜ起きるのか?
人間には五感がありますね。
味覚、嗅覚、視覚、聴覚、触覚。
それぞれ感受する器官がある訳ですが、
刺激をキャッチして、神経を介して
脳に伝達して始めて味を感じたり、
痛みを感じたり、音を聞いたり、
匂いを認識したりするわけです。
では、脳の異常による五感の鈍り?
かというと、そうでもないぞと
東洋医学では考えます。
脳も血液などで栄養されて
初めて機能する器官と捉えます。
なので、気血を作っては
全身に運搬している内臓が1番重要だと
東洋医学では考えます。
大まかにいうと、
内臓が弱ると脳を正常に
栄養できなくなり、
刺激を受けても脳で認識できない
というエラーが発生します。
なので治療する際は、
“どの臓腑が弱ってしまったか?”
がポイントになります。
弱ってしまった臓腑を扶けることが
できれば、脳を正常に栄養でき
外から来た刺激を認識できます。
コロナ後遺症の場合も一緒で、
コロナによって
どの臓腑が弱ってしまったか?
どの臓腑が立ち直れないでいるか?
がポイントになります。
ここでは、味覚障害についての
西洋医学と東洋医学の
見解をご紹介しております。
西洋医学の見解
「味覚」とは、
甘味、塩味、酸味、
苦味、うま味のことで
コーヒー・紅茶の味は
「味覚」ではなく、
「風味」いわゆる「嗅覚」
が関与します。
両者をはっきりと
区別することは難しいですが、
各検査で機能を評価することで
どちらが障害されているかをみます。
症状
「味がわかりにくい」
「いつもの味と違う」
「特定の味が強く感じる」
「弱く感じる」
といった症状を訴える
患者さんが多いですが、
分類すると味覚障害には
7つのパターンがあります。
①味覚の低下
味をしっかり感じられなくなる症状。
② 自発性異常味覚
口の中に何も入れていないのに、
苦い・酸っぱいと感じる症状。
③ 味覚の消失
味覚の低下が進み、
全く味が感じられなくなる症状。
④ 異味症
本来の味と異なった味を感じる症状。
⑤ 解離性味覚障害
特定の味だけ分からなくなる症状。
⑥ 悪味症
食べてもいないのに、
嫌な味がする症状で、
口の中に味が残っている
という感覚を訴える。
⑦ 風味障害
嗅覚障害の為に、
味覚が低下したと感じる。
原因
原因は様々ですが、
最も多い原因は「亜鉛不足」。
味蕾にある味細胞は、
味を感じる為に亜鉛の働きが
必要だとわかっており、
亜鉛不足はそのまま
味細胞の機能低下につながり、
味覚障害になると考えられています。
他にも、服用中の薬による
副作用や不規則な食生活が原因で
味覚障害になることがあります。
治療
食事指導で治療します。
亜鉛を多く取り入れる食事を心がけること。
東洋医学の見解
口淡無味とは、味覚の減退で
口中が淡く飲食物の味がないことを言い
一般には食べものの香りもなく
食欲不振をともなう。
「口淡」 「ロ不知味」 とも称される。
(1) 脾胃気虚
飲食の不節制・ひどい嘔吐や下痢・
慢性病による栄養失調などによって、
脾胃の気が虚し運化転輸の機能が
低下したために口淡が生じる。
弁証の要点:
味がないと同時に疲労感・
息ぎれ・無力感・腹部膨満感・
軟便舌質は淡・脈は弱などの
脾虚の症候を呈することである。
(2) 湿困脾胃
外湿が脾胃に侵入したり、
暴飲暴食によって脾の運化が障害されて
湿濁が内生し, 湿邪が中焦脾胃を
阻害したために口淡が生じる。
弁証の要点:
味がないと同時にロ中が粘る・
悪心・胸苦しい・舌苔は膩・脈は濡など
の湿証を呈することである。
(3) ロ淡について
味覚は脾胃との関連が深く、
《霊枢脈度篇》
「脾気は口に通じ、脾和せばすなわち
口はよく穀を知る」
と述べている通り、
口淡無味は脾胃の運化失調と関係があり、
病因は気虚による運化の低下と
湿邪による運化阻害であり、
症候の特徴から弁証は難しくはない。
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