顔面神経麻痺

顔面神経麻痺

顔面神経は脳から発して
顔に分布しています。
なので、脳に異常をきたすと
顔面の表情筋が
うまく動かせなくなる病です。

脳の問題なので脳の機能をいかに
クリーンにするか?と考えますが、
東洋医学ではもっと体幹にある
内臓の問題だと捉えます。

そもそも脳や体全ての器官は
内臓によって作られた気血により
栄養されている為、
内臓が不調に陥ると脳を正しく
栄養できなくなり、それが慢性化すると
脳の機能が一部エラーを起こし、
顔面神経がうまく機能しなくなると
顔面神経麻痺が起こります。

顔面神経麻痺を治すには、
内臓の働きを扶け、
脳を正しく栄養できるように整え、
顔面神経を機能させることにあります。

 

ここでは顔面神経麻痺に関する
西洋医学と東洋医学の
見解をご紹介致します。

 

 

 

西洋医学の見解

顔面神経は脳の顔面神経核にあり、
そこから図にあるような長い軸索という
電線のような神経の枝を伸ばしてます。
軸索は側頭骨の中にある顔面神経管という細い骨のトンネルの中を通り、
耳たぶの奥の方にある茎乳突孔から
側頭骨を出て、耳下腺の間を貫いて
顔面を動かす表情筋に分布しています。


この顔面神経核から表情筋に分布している電線のどこかが障害されると、
表情筋を動かす
信号が入ってこなくなるために、
表情筋=顔面が動かなくなり
「顔面神経麻痺」になります。

 

顔面神経麻痺の症状


顔の表情筋は20個以上あるため
顔面神経麻痺の程度と範囲とで、
様々な症状があります。
×顔がまがった状態
×眼が閉じにくい
×口角が上がらない
×水や食事が口から漏れる
など

 

また、顔面神経が通る
側頭骨内の顔面神経管には顔面神経の束の他に
・味覚を伝える神経(鼓索神経)
・涙や唾液の分泌を調節する神経
・大きな音から耳を守るために
鼓膜を緊張させる反射を起こす神経
(アブミ骨筋神経)などが含まれており
顔面神経麻痺の際には、
表情筋の麻痺ばかりでなく、


×味覚の障害
×涙や唾液の分泌低下
×音が響く聴覚の障害
などの様々な症状もみられることがあります。

 

 

 

東洋医学の見解

顔面神経麻痺とは、
ロや目がゆがんで閉じることが
出来ないことをいい、
中医学では口眼喎斜と呼ばれております。

また
「面難」「吊綫風」「歪阻風」

「口眼歪斜」などとも呼ばれ
古典にも多くの記録があり、
《霊枢》「口喎」「僻」「卒口僻」
《金質要略》「喎僻」
《諸病源候論》「風口喎候」
《三因極一病証方論》「口眼喎斜」
《医学綱目》「戻」
と表記されている。 

 

口眼喎斜は「中風門」に入れられていることが多く、
中風には中経絡と中臓附の別があり
中経絡では口眼喎斜だけがみられるのに対し、
中臓腑では口眼喎斜とともに意識障害
などをともなう。

本項では、中経絡と中風後遺症および
他の原因による口眼喎斜について述べる。

 

(1) 風邪外襲

風邪が顔面の陽明絡脈に侵入して
気血の運行を阻害し、
絡脈が栄養されないために発生する。
臨床的には、風寒·風熱·風湿を区別する必要がある。
三者は突然に顔面神経麻痺が発生し
頭痛·脈が浮。舌苔が薄白などの
外感表証を呈するところは同じであるが
以下のような違いがある。

 

風寒
患側の顔面に緊張感·客痛·
皮膚が厚ぼったく硬い感じがともなう

 

風熱
患側の顔面筋が弛緩し皮膚に熱感をともなう。

 

風湿
患側の顔面が腫れた感じがあり、
眼瞭の浮腫をともなうことがある。

(2) 肝風内動

怒りなどにより肝気が上逆
肝陽化風となって顔面の陽明絡脈を損傷。
欠盆と両類を牽動して顔面麻痺が発生する。

特徴:
普段から該量·耳鳴·肢体のしびれ
などの肝風内動の前兆があり、
怒りなどによって突然発症し、
甚しい場合は顔面筋がピクピクひきつることである。

本証と風邪外襲の口眼喎斜は、
突然発症するところが似ているが
内風と外風の違いがある。
本証は内風で老人に多発し脈が弦であるが、
風邪外襲は外風で中·青年に多発し
脈が浮であり、治法も内風には
「熄風」を外風には「疏風」を用いる。

 

耳鳴

 

(3) 肝気鬱結

精神的な抑うつがあり
愁訴の多い感受性のつよい女性によく発症する。
発症前に明らかな誘因がみとめられ
他人と口論する。欲求不満がある。
不快なことを見聞きするなどに
よって肝気が酵結し,
陽明経絡が失調したために発生する。

特徴:
発症前に精神的にゆううつで、
発症後も表情に苦悶感があったりぼんやりしたり
泣いたりし、顔面筋がときにひきつることである。

 

(4) 気血両虚

中風後遺症や産後あるいは
他疾患の後期によくみられ
気血が虚したために顔面の肌肉が
気血の温養を得ることができず発症する。

特徴:
寒証·熱証がみられないこと。
外感風邪の症候がないこと。
既往症に特徴があること。
息ぎれ物を言うのがおっくう。
顔面筋の弛緩·脈が細·舌質が淡などの
気血両虚の症候がみられることである。

 

腰痛

 

(5) 風疾阻絡

気虚の体質で痰飲があり、
気鬱化風により疾が動いたり、
風寒の邪を感受して痰が動き、
風と痰が互結して経絡に流入し
顔面部の陽明絡脈を阻塞するために発生する。
痰飲をもっている場合は、
体が肥満し目に輝きがなく、
顔色がどす黒く目の周辺に
くまがあったり、
眼瞼のむくみ・顔面が汚ない・
舌が大舌苔が白滑潤などを呈する。

特徴:
患側の皮膚のしびれ感や蟻走感があり、
口が開きにくいなどとともに
頭のふらつき·目まい.悪心·
舌苔が白賦·脈が弦滑などがみられることである。

 

鍼灸についてのQ&Aはこちら
Q&A

"是非、施療を受けてみたい!"
施術希望される方や
"自分の症状でも診てもらえるのか不安…"
という方はお気軽にご相談ください。

CTR IMG