足底腱膜炎・モートン病

足の裏は立った時に
全体重がかかる部位のため、
足裏が痛いと
まともに行動ができません。

東洋医学では、どんな疾患でも
内臓の状態を重視するのですが、
足裏も同様、内臓が弱ってしまうと
痛みやすい箇所であります。

足腰は主に下にある臓腑が担っており、
それらが何かしらの原因で
弱ってしまうと足に痛みが出やすい、
休んでも痛みが取れないといった
症状をきたすことが多いです。
では、具体的にどの臓腑が弱ると
足の痛みが出るのか?
下記に東洋医学の見解を紹介しております。

西洋医学の見解も併せてご覧下さい。

 


西洋医学の見解

 

・足底腱膜炎

足の指の付け根から踵まで、
足の裏に膜のように張っている
腱組織に炎症が起き、
小さな断裂を起こして
痛みをもたらす病気。

若い世代やスポーツ選手、
中高年者でも発症する。

土踏まずがない靴を履いたり、
体重が増えても発症する。

足底腱膜炎

 

症状

・踵骨足底面に圧痛がある
・長時間の歩行やスポーツ時に
 踵側に痛みがある

<特徴的な症状>
・起床時、踏み出した一歩が
踵をつけないほどの鋭い痛みを感じる

・しばらく歩行していると
徐々に痛みが落ち着く

 


治療

保存療法として、痛みが強い場合は
足底腱膜への負荷を減らすために
安静を基本とする。

運動量を減らすと共に
痛みなどの炎症を抑えるために
湿布や内服薬を使用し、
症状が軽減しない場合には、
ステロイド注射にて経過をみる。

 

・偏平足
(土踏まずがつぶれ平らになった状態)
の方は、足の裏に均等に
力が入るように土踏まずの部分を
高くするような縦アーチサポーターや
ソールなどの装具を
使用することもある。

 

手術療法としては、
保存療法で効果がみられない場合や
痛みが強く日常生活に支障がある
場合に行われるが、
頻度としては少ない。

 

また、難治性の足底腱膜炎に関しては、
対外衝撃波療法がある。

 

 

・モートン病

モートン病

 

モートン病とは、
足指から足指のつけ根にかけて
痛みが出てしまうもので、
特に人差し指から薬指のあいだで
起こることが多い病。

足の機能低下や、靴などの外力により
神経が圧迫されることで
疼痛や知覚異常が起こると言われ、
おもな症状として、
足の中指と薬指の間の痛みや痺れある。

歩く度に痛い、長く歩くと
しびれてくる感じがするという
症例が多い。

骨には変化が出ず、
レントゲンを撮っても
分からないことも多いため
原因不明の痛みとして
扱われているときもある。

モートン病は女性に多く、
幅の狭い靴だけではなく、
幅の広すぎる靴を履いていても
起こることがある。

 

モートン病

足趾の付け根の部位で
足を横から挟むように圧迫して
疼痛(とうつう)が誘発されれば、
モートン病が疑われる。
(モルダーテスト)

 

 

原因

年齢による足の形の変化に加えて、
つま先立ちをする格好を長時間続ける、
ランニングをやり過ぎる、
ハイヒールの常用などで
起こりやすくなる。

 

 

治療

原因となる神経への圧迫を
減らす工夫をする。
足底挿板(アーチサポート・
靴の中敷きのような装具)を用いた
保存的治療が主な方法。
足底挿板は装具技師に依頼し、
自分自身の足の形に合わせて作る。
痛み止めなどの注射を
何回か行うと改善することもあり、
3か月ほど様子を見て
症状が回復しないものでは、
手術が必要になることもある。

 

 

足底腱膜炎

 

東洋医学の見解

 

足痛とは、足関節以下の疼痛をいい、
「足心痛(足底中心の痛み)」
「足跟痛 (踵の痛み)
「足趾痛 (趾の痛み) なども含む。

 

 

肝腎両虚と気血両虚

いずれも虚証で、
踵部の疼痛が多いが、
病因・病理機序がやや異なる。

 


肝腎両虚

先天不足・過労・房室過多
などにより肝腎が不足し、
肝は血を蔵し筋を主り、
腎は精を蔵し骨を主るので、
骨髄を栄養することが
できなくなって発生する。

 

特徴:
頭がふらつく・耳鳴・
腰や膝がだるく無力・
目がかすむ 視力減退など
肝腎不足の症候を呈することである。

 

治法:
滋補肝腎

 

 

気血両虚

慢性病・大病の後出血過多
などによって気血がともに虚し、
血が栄養を十分に
供給できないために生じる。

《古今医鑑・脚気篇》
「およそ足の疼痛、皮は腫赤せず、
筋は拘急せず、夜に遇いて
痛み甚しきは、
およそこれ
気虚して血の栄せざるなり」

 

特徴:
動悸・息切れ 疲労倦怠感・
顔色が白くつやがないなど
気血両虚の症候を呈することである。

 

治法:
益気養血

 

 

モートン病

 

寒湿と風湿痺

いずれも湿邪によるが、
病因・病理機序が異なる。

 

寒湿

発汗後に冷水で足を洗ったり
寒冷で湿気の多いところに
長く立っていたりすることにより、
寒湿の邪が侵入して生じる。

《素問・太陰陽明論》
「湿に傷るれば、下まずこれを受く」

《素問・挙痛論》
「寒気はに入りて稽遅し、
泣して行らず、脈外に客すれば
すなわち血少り、脈中に客すれば
すなわち気は通せず、
ゆえに卒然として痛む」

 

湿邪と寒邪が結びついて
気血を凝滞するために、
脈絡が閉阻して通じなくなり
痛みを生じる。

 

特徴:
症状が夜間に増強し、
患側の冷えと痛みが甚しく、
時には跛行を呈することである。

 

治法:
温経散寒・祛湿

 

 

風湿痺

風邪と湿邪が合して肌膚を侵し、
経絡に停滞した痺証である。

 

特徴:
全身の関節痛・腫脹・
変形をともなうことである。

 

治法:
私風化湿・蠲痺通絡

 

 

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