バセドウ病
バセドウ病とは
甲状腺機能亢進症のことで
甲状腺が腫れてしまう病です。
甲状腺はホルモンを調節する器官で、
甲状腺をコントロールするのは
脳の働きによるものと西洋医学では
考えてますが、その脳は内臓から
栄養を受けて機能しております。
内臓が何らかの原因で弱ったり、
滞ったりすると、脳が栄養できなくなり
脳が甲状腺のコントロール不能に陥り
結果的に甲状腺の病が発症するものと
東洋医学では考えます。
なので、内臓の機能を磨きあげれば
甲状腺の機能をコントロールできます。
当院ではバセドウ病は
得意とする疾患の一つです。
こちらでは、バセドウ病の西洋と東洋の
医学的な見解を紹介しております。
西洋医学の見解
バセドウ病は、
甲状腺ホルモンの分泌が過剰になる
「甲状腺機能亢進症」の1つで、
甲状腺が腫れている状態を指します。
バセドウ病では、多くの場合
甲状腺が全体的に腫れる
「びまん性甲状腺腫」を認めます。
中には甲状腺の腫れに
左右差がある方や、
腫れをほとんど認めない方もいます。
発症の男女比は
「男性1:女性5~6」と、
比較的女性に多く見られる病気であります。
症状
・眼球突出
バセドウ病の特徴的な症状です。
眼球突出だけでなく
上まぶたがはれる「眼瞼腫張」、
まぶたが上がってしまう「眼瞼後退」、
物が二重に見える「複視」
なども眼症状の一つです。
もちろん、このような症状を
認めない方もいます。
甲状腺ホルモンは
体の新陳代謝を高めるホルモンなので
甲状腺ホルモン過剰の状態では
新陳代謝が異常に高くなり過ぎて、
・動悸
・多汗
・体重減少
などの症状が起こります。
また、内臓の働きも活発になり
頻脈や便通の異常
(軟便、下痢、頻回な便通)
も認めます。
他には
・手足のふるえ
・倦怠感
などもみられる症状で、
・イライラ
・不眠
・集中力の低下
などが原因で大人では
仕事の能率の低下、
子どもでは成績の低下がみられる
ことも見受けます。
※症状の出方には個人差があります。
治療せずに放置していると、
重症化するケースも見られるため
早期に病院にかかることが大事です。
治療
バセドウ病には3つの治療法があります。
①抗甲状腺薬
抗甲状腺薬という薬で
甲状腺ホルモンの合成を抑え、
血液中の甲状腺ホルモンを
正常にする治療です。
②アイソトープ治療
放射線を出す性質を持たせた
ヨウ素(放射性ヨウ素)の
カプセルを飲む治療で、
アイソトープ治療と呼ばれます。
服用した放射性ヨウ素は
甲状腺に取り込まれ、
そこで放射線を出して
甲状腺を壊します。
③手術
甲状腺を少しだけ残して
残りを切り取ります。
東洋医学の見解
頚粗とは、
甲状軟骨両側が腫大することを指し、
甲状腺腫に相当する。
歴代の医家は
「癭」 「癭気」の病証に含めており、
以下のように呼ばれていた。
《霊枢 経脈篇》「侠痩」
《山海経》 「纓」 も癭と同じ意味。
歴代の記載からみる2種の状況がある。
①地域性に発生するもの
その地域では老若を問わず発症し、
《山海経》に「拘纓国」
と記されているのがこれに相当する。
②青年に多発。
とくに女性によく生じるもの
前者は頚粗以外の全身症状は
顕著ではなく、
後者は全身症状がかなり明らかである。
ここでは後者について述べる。
(1) 痰気鬱結と気滞血瘀
いずれも肝気鬱結が原因であり、
痰結あるいは
血瘀を形成したために発症する。
それゆえ両証ともに、
胸苦しい・脇痛・怒りっぽい・
頭のふらつきなどの
肝気鬱結の症候がみられる。
痰気鬱結
肝気鬱結により
水湿が停滞し凝集して
痰が生じたものである。
特徴:
甲状腺腫がびまん性で軟かく、
圧痛がないか軽度で張った感じがあり、
舌苔が白あるいは膩・
脈が弦あるいは滑という
痰結の症候を呈することである。
気滞血瘀
肝気鬱結が持続して
血瘀が生じたものである。
特徴:
慢性的に経過して、
甲状腺腫がかなり大きくて
硬く圧痛があり、
舌質が紫暗あるいは瘀斑がある・
脈が沈渋などの
血瘀の症候を呈することである。
(2) 心肝陰虚
頚粗は痰結、血瘀という
有形の実邪によって発生するが、
慢性化すると邪によって正気が消耗し
心肝の陰血が不足して本証が発症する。
特徴:
動悸・焦操感・驚きやすい・
不眠・微熱・自汗・息ぎれなど
の心陰虚の症候や、
いらいら・怒りっぽい・頭のふらつき・
目がくらむ・両眼外側が陥凹して乾燥する
などの肝陰虚の症候がみられ、
甚しければ手足のふるえやひきつり
熱感・盗汗・腰がだるいなどの
症候をともなうことである。
(3) 頚粗について
頚粗は、実証あるいは虚実挟雑である。
痰結・血瘀によるものは、
初期は実証であるが、
慢性化すると虚実挟雑となり、
心肝陰虚を呈する。
↓バセドウ病の症例はこちら
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