多汗症

 

多汗症

多汗症とは全身性のものと
局所性のものとで分類されており、
局所性のものは手足や腋によく
みられる症状です。

西洋医学では原因不明とされている
多汗症ですが、東洋医学では
内臓(五臓六腑)間の連携が
うまくいかないと多汗症といった
症状が出るものと考えられております。

では、具体的に
どの臓腑の機能が弱ると
多汗症といった症状が出るのか?
を下記でご紹介しております。

西洋医学と東洋医学の見解を
併せてご覧下さい。

 

 

西洋医学の見解

 

・全身性多汗症

全身に汗が増加する。
特に原因のない原発性と感染症、
内分泌代謝異常や神経疾患に
合併するものがある。

 

・局所性多汗症

体の一部に汗が増える。
原発性局所多汗症では
手のひら、足のうらや脇という
限局した部位から両側に
過剰な発汗を認める疾患。

 

原因

発汗を促す交感神経が
人よりも興奮しやすいのではないか
ともいわれているが、
まだはっきりしたことは不明である。

 

症状

幼少児期ないし思春期ころに発症。
手の平、足の裏は精神的緊張により
多量の発汗がみられる。
症状の重い例では
時にしたたり落ちる程の発汗がみられ、
手、足は絶えず湿って指先が冷たく、
紫色調を帯びていることがある。

この様な湿った手足は
あせもができて表皮がめくれたり、
カビや細菌の感染を起こしやすい。

昼間(10時~18時)に汗が多く
睡眠中の発汗は停止する。


腋窩多汗症は
精神的緊張や温熱刺激によって
左右対称性に脇の下に多汗がみられ、
下着やシャツにしみができる。
手足の多汗を伴っていることもある。

 

多汗症

東洋医学の見解

手足汗出とは
手足からの発汗を言う。
《傷寒明理論》
「胃は四肢を主り、
手足汗出ずるは陽明の証なり」とある。
熱病の経過で
陽明病の腸内の燥屎内結にともない
「手足渾々として汗出づ」の症状が
見られることがあるが、
この汗は陽明腑証の主症状ではない。

 


・脾胃湿熱

胃は受納を主り、
脾胃は運化を主り四肢を主り
精微物質の転輪と
水湿の運化を行っている。

疲労により脾が損傷を受け
運化が低下して湿が生じたり、
湿邪が脾胃を侵襲すると、
水湿が脾胃を阻滞し、
湿が欝化熱し湿熱となり、
湿熱が胃を燻蒸するので
胃中の津液が四肢におしやられ、
手足に汗が出るのである。

《傷寒明理論》
「手足汗出でるものは、
熱の胃に緊るとなし、
これ津液の傍達なり」
とある通りである。

 

特徴:
湿邪が中焦を阻滞して
運化が失調するので
胸や腹が痛えて苦しい・食欲不振・
身体が重だるいなどが生じ、
湿熱が内蘊して
膀胱に影響を与えるために
尿が濃く少なく、
湿熱が上部を燻蒸するので
舌苔が黄臓になり、
脈が濡数を示すことである。

 

治法:
清熱燥湿・和中

多汗症

 

脾胃気虚と脾胃陰虚

いずれも虚証であるが、
病因と病理機序が異なる。

 

・脾胃気虚

飲食不節疲労などにより
脾胃の気が損傷を受け、
水湿の輸布が失調して
津液が傍注することにより生じる。

 

特徴:
気虚のために倦怠無力感・
息ぎれ・
しゃべりたくないなどの
症候がみられ、
気虚が続くと陽虚をともない、
陽気が外部を温照できなくなると
四肢が冷たい・顔色が白いなどを呈し
脾胃の気が虚して受納・腐熟・
運化の機能が低下するので、
摂食量減少 便が軟かい
舌質が淡・脈が虚弱などを
ともなうことである。

 

治法:
補気健脾

 

 

・脾胃陰虚

熱病による傷陰・辛熱厚味の
食物嗜好による傷陰などにより
陰虚内熱が生じ、内熱が津液を
四肢に外泄させて発生する。

 

特徴:
陰虚で津液が不足しているために
咽や口の乾燥感
(夜間に顕著)をともない、
同時に脾胃の腐熟・受納・
運化の機能が失調して
腹が減るが食べられない・
乾嘔・吃逆・便が硬いなどの
症候を呈し、
舌質が紅で乾燥・
少苔・脈が細数などの
陰虚内熱の症状がみられることである。

 

治法:
滋養胃陰

多汗症

 

腋汗とは
両腋から脇下にかけての発汗を言う。
《医林縄墨》《張氏医通》《類証治裁》
などには「脇汗」 とあるが
同じものである。

 

・肝陰虚と肝胆湿熱

いずれも熱証を呈するが
虚実の違いがある。
肝は脇下にあり経脈が両脇に分布し、
胆は肝に附いて経脈が脇を循るので
腋汗は肝胆の異常にともなって
発生する。

肝は疏泄を主り条達をこのむので
陰血が虚したり湿熱が内蘊して、
肝の疏泄が失調し肝絡不和となって
汗が経脈から腋下に出る。

《雑病源流犀燭・諸汗源流》
「邪は表にあれば、腠理は閉じずして、
汗は経絡に従いて出づ」
とある通りである。

 

 

・肝陰虚

慢性病の消耗・過労性欲過度などで
精血が消耗し、肝陰・肝血不足
のため肝絡を栄養できずに発生する。

 

特徴:
臭いのない発汗に
多夢・不眠・いらいら驚きやすい
五心煩熱・口や咽の乾燥感などの
陰虚内熱の症候をともなうことである。

 

治法:
滋陰柔肝・清熱

 

 

・肝胆湿熱

湿熱が肝胆に蘊結して
肝胆の疏泄を失調させ、
湿熱が経脈から外泄して発生する。
《雑病源流犀燭・諸江源流》
「両腋に汗あり、
・・・
久しく癒えざるもの、
これ湿熱の流注なり」
とある通りである。

 

特徴:
臭気のある汗に、胸苦しい・
食欲不振・口が苦い口がねばる・
口渇して水分を欲しない・
身体が重だるい・尿が濃く少ない
舌苔が黄臓・脈が弦数などの
湿熱の症候をともなうことである。

 

治法:
清熱利湿

 

 

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