不妊症
不妊症には様々な要因が考えられます。
卵胞の質の問題なのか?
排卵できているのか?
卵管の通りが悪いのか?
子宮内膜の厚さが十分ではないのか?
ホルモンの値の問題なのか?
男性側の運動率や数の問題なのか?
・
・
・
挙げればキリがないですが、
これらを調えるには、
内臓の不調を改善させる事にあります。
内臓とは肺・心臓・胃や肝臓、他
たくさんありますが、
それらが皆手を取り合って連携して
働き合い身体は機能しております。
子宮や卵巣も内臓からの栄養を受け
機能しているものと考えるので
内臓が弱っていたり、滞っていると
子宮・卵巣が栄養されず、
月経のリズムが乱れたり、
卵が排卵しなかったりして
結果的に妊娠しにくい
体になってしまいます。
妊娠するためには、
子宮・卵巣の情報だけではなく、
どの内臓が弱っているのか?を
知ることが大事になってきます。
体の不調を客観的に診ることで
どの臓腑を磨きあげれば良いかを
鑑別し、施術で調えることができれば、
様々な値が安定し、
妊娠しやすい状態に
繋げていくことができます。
ホルモン剤などを使って
辻褄合わせで数値だけ調えるのではなく
体の本質から調えてみませんか?
※施術するとすれば
内臓にまつわる経穴(手・足・背中)
なので下腹部や陰部を診たり
施術することはありません。
こちらでは、不妊症に関する
西洋医学的な見解と
東洋医学的な見解をご紹介しております。
西洋医学の見解
「不妊」とは、
妊娠を望む健康な男女が
避妊をせず性交をしても
一定期間妊娠しないものをいいます。
この”一定期間”については
学会の見解により相違があり、
おおよそ1年というのが定義ではあるが、
もともと女性に排卵がなかったり、
子宮内膜症を合併していたり、
過去に骨盤腹膜炎などにかかった
ことがあったりすると
妊娠しにくいことがあります。
このような場合は、
「不妊かもしれない」と考えて
早めの検査や治療に踏み切った方が
良い場合があります。
また、最近は晩婚化のため男女とも
加齢により妊娠が起こりにくくなることもあり
治療を先送りすると
成果が下がるリスクがあります。
全く病気とは無縁で、
病院を訪れることのなかった
カップルにとっては、
もしかして不妊ではないか…?
と考えただけで不安になってしまうことと思いますが
1年間の一定期間を待たないで
すぐに治療に踏み切る方が
効果的な場合もあります。
不妊の原因
不妊の原因は、
男性側、女性側、あるいは
その両方にある場合があります。
ただ、何も原因が
見当たらない場合もあります。
規則的な月経のある女性の場合は、
月経の約2週間前に排卵
↓
女性ホルモンの分泌が変化
↓
子宮内膜も妊娠に向け準備
↓
妊娠が成立しなければ
子宮内膜は剥がれ落ちて
月経になります。
しかし、
極端な月経不順の女性の場合、
月経のような出血があっても
排卵を伴わないことがあり、
排卵がなければ妊娠は起こりません×
排卵が起こらない原因には
×甲状腺など女性ホルモンに
影響を与える病気
×極度の肥満または体重減少
×男性ホルモンが高くなる
ホルモンのバランス異常
(多嚢胞性卵巣症候群)
などがあり、
これらの場合は疾病を治療したり、
排卵を起こす治療をしたりします。
また、全く月経がない場合は
様々なホルモン分泌の異常や
まれに早発卵巣不全(早発閉経)
の方もおられます。
排卵しているかどうかは、
基礎体温を記録するとわかります。
卵管
卵管は精子が卵子に向かい
受精した卵(胚)が再び
子宮に戻るための道です。
卵管が炎症などによって
詰まっていると、
妊娠は起こりません。
卵管炎や骨盤腹膜炎の原因となる
クラミジア感染症に
かかったことがある方で、
ほとんど無症状のうちに
卵管が詰まっていることもあります。
また、強い月経痛がある女性の場合、
子宮内膜症が潜在していることが
ありますが、
この子宮内膜症の病変によって
卵管周囲の癒着が起こり、
卵管が詰まっている場合もあります。
頸管因子
子宮頸管は子宮の出口を巾着のように
閉めてバリアをしている
筒のような部分です。
排卵が近づくと
その筒の内部を満たす粘液が
精子の貫通しやすい状態に
変化しますが、
この粘液の分泌が少なかったり、
精子の貫通に
適していなかったりすると、
精子は子宮内に侵入しにくくなり、
妊娠が起きにくくなります。
免疫因子
人間には、細菌やウイルスなどの
外敵と闘い自分を守るための
「免疫」という仕組みがあります。
異物の侵入を
容易に許容しないための
大切な仕組みですが、
時に「抗体」といわれる免疫の力で
精子を攻撃してしまうことがあります。
精子を攻撃する抗体(抗精子抗体)
を持つ女性の場合、
子宮頸管や卵管の中で
抗精子抗体が分泌されると、
精子の運動性が失われ、
卵子に到達できず、
妊娠が起こりません。
子宮因子
子宮筋腫や子宮の先天的な
形態異常などにより、
子宮内膜の血流が悪かったり、
子宮内に過去の手術や
炎症による癒着などがあると、
子宮内に到達した胚が
くっ付いて育つことを妨げ、
妊娠に至りません。
男性側の検査(精液検査)
マスターベーションで
採取した精液を検査し、
精子の数や運動率などを調べます。
不妊症を診ている産婦人科や
泌尿器科で検査できます。
異常がある場合には
精索静脈瘤などの
病気がないかどうか、
泌尿器科で検査をします。
東洋医学の見解
不孕とは、
妊娠適令の女性が避姓を行わずに、
結婚後3年以上を経ても
妊娠しないことを指す。
《千金要方》「全不産」
《脈経》「無子」
満期産あるいは
流早産ののち3年以上
妊娠しないことを(千金要方》では
「断緒」 と記している。
(1) 腎虚と気血両虚
いずれも虚証であるが、
病因と病理機序が異なる。
腎虚
虚弱体質で腎気が不足し
衝任が虚して摂精できない
ために生じる。
《女科経論・嗣育》
“婦人の無子なるゆえんは、
衝任不足により、
腎気虚寒するのゆえたり。”
《内経・上古天真論》
“女子二七にして天葵至り、
任脈通じ、太衝の脈盛に、
陰陽和す、ゆえによく子あり。
もし衝任不足して、
腎気虚寒すれば、胞に系るあたわず、
ゆえに無子ならしむ。
また本は夫の病にありて
婦の病むものは、
まさに因る所に原きてこれを調すべし”
弁証の要点:
下腹部の冷え・性部欲の減退・
経血量が少なく色が淡い・
月経周期の延長
あるいは無月経。
腰や下肢がだるく無力
尿がうすく量が多いなどを
呈することである。
気血両虚
虚弱体質 多量の出血・
脾胃気虚による生化不足などで
気血不足をきたし、
衝任が虚して摂精できず発生する。
《丹渓心法・婦人》
“人の胎を育するは陽精の施なり、
陰血よくこれを摂して、
精はその子となり、
血はその胞となり、
胎李すなわち成る、
今婦人の子無きは、
率血少なきにより、
もって精を摂するに足らざるなり”
弁証の要点:
顔色が萎黄・痩せる・脱力感・
頭のふらつき・目まい。
経血の色が淡く量が少ない・
月経周期の延長・舌質が淡・舌苔が薄・
脈が沈細などを呈することである。
(2)陰虚血熱と肝気鬱結
いずれも虚実挟雑であるが、
病因と病理機序が異なる。
陰虚血熱
陰慮の体質・慢性病・
熱性疾患の傷陰などで
陰虚が生じ、胞宮に熱が
鬱積したために生じる。
《女科経輪・嗣育》
“婦人の久しく子無きは、
衝任の脈中に熱伏せるなり。
それ不孕は血少なきによる、
血少なければすなわち熱し、
そのもとはかならず
真陰の不足より起り、
真陰不足すればすなわち
陽勝りて内熱し、
内熱すればすなわち栄血枯る、
ゆえに孕せず、益陰除熱すれば、
すなわち血は旺にして孕し易し”
と述べている通りである。
弁証の要点:
月経周期が短縮し
経血が紅色で量が多いか、
月経周期が延長し経血が
暗色で量が少なく、
頭のふらつき・口や咽の乾き・
顔面紅潮・
頬部のほてり・潮熱・盗汗・
舌質が紅・
舌苔が薄などを呈することである。
肝気鬱結
情志が抑うつして
肝気の条達ができず、
気血が失調して胞脈が
通暢できないために生じる。
《済陰綱目・求子門》
“およそ婦人の子無きは,
多くは七情の傷る所により、
血衰え気盛ならしむを致し、
経水は調わず、
あるいは前あるいは後、
あるいは多あるいは少、
あるいは色淡なること水のごとく、
あるいは紫なること血塊のごとく、
あるいは崩漏し帯下し、
あるいは吐腹移痛し、
あるいは子宮虚冷し、
孕を受くること能わず”
と述べられている。
弁証の要点:
月経周期や経血量が一定しない・
経血が紫色で凝血塊が混じる・
月経痛・月経前に乳房が張って痛む・
いらいら・怒りっぱいなどを
ともなうことである。
(3) 痰湿と血瘀湿熱
いずれも実証だが病因と
病理機序が異なる。
痰湿
肥満体質で痰湿が内生したために
衝任が阻遏されて
受精できなくなって生じる。
《丹渓心法 子嗣》
“これ肥盛の婦人、稟受甚だ厚し。
酒食に恣の人、経水調わず、
孕を成す能わざるがごときは、
これ軀脂満溢し、
子宮を閉塞すという。
よろしく行湿燥痰すべし”
弁証の要点:
肥満の体型・無月経あるいは
月経不順・白色帯下の増加
・舌苔は白賦・脈が滑などを
呈することである。
血瘀湿熱
月経時あるいは
産褥時の性交のために
邪が胞宮に侵入し、
気皿の流通を阻害し
湿熱が停滞したために生じる。
弁証の要点:
下腹部痛があって
月経前に特に強く、
微熱・月経不順・月経持続の延長・
腰や尾骶部のだるい痛み・
悪臭のある黄色帯下・
下腹部の圧痛などを
ともなうことである。
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