肋間神経痛

肋間神経はその名前の通り、
肋骨の間を走る神経のことです。

肋骨は肺や心臓を取り囲むように
形成されている骨で、
肺や心臓は人間の中でも
とても重要な臓器なので、
これらを取り囲むように守っています。
さらに内部では横隔膜があり、
肺や心臓は神聖な臓器なので、
中と外で強固に守られているわけです。

外傷性でない場合、
中からジワジワと病んで
肺や心を犯す勢いで気が昂って
くると、この胸脇部に痛みの
アラームが発生します。
痛みの発生部位は肺や心の周りにある
肋間神経ではあるが、
元凶はもっと下の臓腑から
くることが多く見受けます。

なので、肋間神経痛といった
疾患でも内臓の働きを整えることが
ポイントになります。

 

ここでは肋間神経痛に関しての
西洋医学と東洋医学の
見解をご紹介致します。

 

 

西洋医学の見解

肋間神経痛

 

肋間神経は、
12個ある胸椎の間から
左右に対となって出て
各肋骨の下を走り、
胸壁と腹壁の筋肉や皮膚の運動・
知覚を司っている末梢神経。

肋間神経痛は59番目の
肋間神経に生じることが多く、
通常は左右のうち一側に起こる。

その痛みは
「電気が走るような急激な痛み」や
「持続するジンジン・ヒリヒリ
とした痛み」などがあり、
胸の全面から、背中、脇腹、
おへそ当たりが痛む。

特定の肋間神経に
生じる痛みであるため、
広範囲ではなく、範囲が限られた痛み
であることが特徴。

病的な異常がない原発性肋間神経痛と、
何らかの病気に起因する
続発性肋間神経痛に分けられる。

肋間神経痛


・原発性肋間神経痛

原発性の場合は、検査などを行っても
明確な原因が分からない。
強いストレスを感じたり、
肩や背中が凝っているときに
ズキズキとした痛みを感じたりする。

症状は発作的で
比較的早く治まるのが特徴。

 

 

・続発性肋間神経痛

続発性肋間神経痛の原因には
神経の損傷、圧迫、感染など
さまざまなものが考えられる。
肋骨の骨折や肋骨周辺の手術によって
肋間神経が損傷されると、
肋間神経痛が生じることがあり、
また、変形性脊髄症、胸椎椎間板
ヘルニアによって神経が
圧迫されることで、
肋間神経痛が生じることもある。

また、
神経がウイルスに感染していると、
免疫力が低下したときに
肋間神経痛を引き起こすことがある。

そのほかに続発性肋間神経痛の
原因となりうる病気として、
腫瘍が挙げられる。
脊椎や肋骨の周辺に
腫瘍が発生した場合は、
神経が圧迫・刺激されることによって
肋間神経痛が生じることがある。

 

 

治療

肋間神経痛の治療は、
まずその原因に帯状疱疹などの
病気が原因となっていないかを
検査する。

原因がはっきりしない場合は
消炎鎮痛剤や神経痛薬の内服治療が
行われ、
これら内服薬でも
痛みが治まらない場合は、
神経ブロック治療が行われる。

 

肋間神経痛


東洋医学の見解

脇痛とは、
側胸部から脇部にかけての痛みを指す。
脇肋部には足厥陰経と足少陽経が
循行しているので脇肋部の疼痛は
肝胆の病変と関係している。

 


邪在少陽と痰飲

いずれも実証であるが
半表半裏証と裏証の違いがある。

 

・邪在少陽

風寒の邪が直接少陽経を侵犯したり、
太陽病が少陽に伝入し
少陽経は両側の胸脇部を循行するので、
寒邪が化熱して
半表半裏の少陽経に停滞すると
少陽の気の運行が失調して発生する。

 

特徴:
胸脇痛・胸脇部が張って苦しい・
往来寒熱などがみられることである。

 

治法:
和解少陽

 

 

・痰飲

脾胃の陽気が衰えたものが
寒湿を外感したり
飲食不節制をしたために
肺の通調・脾の運化・
腎の蒸化が失調し、
水飲が生じて脇肋間に流注し、
昇降が失調したために発生する。
脇痛は懸飲 (胸水)
主要症状のひとつである。

 

特徴:
胸脇部の痛み・息ぎれ・
呼吸促迫などがあり
痰を吐く・寝返り・呼吸などのときに
脇痛が増強することである。

 

治法:
攻逐水飲

 

 

肋間神経痛

肝気欝結と血瘀

いずれも実証で、
気滞と血瘀の違いがある。

 

・肝気欝結

欲求不満や怒りなどで
肝の条達・疏泄が失調して発生する。
肝は脇下にあり、肝の経脈は
両側の胸脇に分布しているので、
肝気が欝して脇絡を阻滞すると
脇痛が生じる。

 

特徴:
脇肋部が張って痛み、
情緒の変動によって痛みの強さが変化し
遊走性の張った痛みを呈し
胸苦しい・ため息が多い
情緒の抑うつなど肝気欝結の症状をとも
なうことである。

 

治法:
疏肝理気

 

 

・血瘀

平素から情緒がうつ積したり
肝気欝結があるために、
久病入絡し血流が停滞して発生する。
胸脇部の絡が痺阻すると、
胸脇部に固定性の刺痛が生じる。

 

特徴:
固定性で刺すような脇痛・
脇下の腫塊・舌質が暗紫で
瘀斑があるなどの
血瘀の症候を呈することである。

 

治法:
活血化瘀

 

 

肋間神経痛

肝胆湿熱と肝陰虚

いずれも熱証であるが、
実熱と虚熱の違いがある。

 

・肝胆湿熱

湿熱の邪が侵入したり、
飲食の不節制で脾の運化が失調し
内湿が発生して化熱し、
湿熱の邪が肝胆を侵して
疏泄条達が失調したために発生する。

 

特徴:
激しい脇痛・胸苦しい・食欲不振・
尿が濃い・ 舌苔が黄膩脈が弦滑
または弦数などの湿熱の症候が
みられることである。

 

治法:
清熱利湿

 

 

・肝陰虚

肝欝化火による肝陰の消耗・
腎陰虚の肝陰への波及血虚による
肝陰の不足などの結果、
肝絡が濡養されないために生じる。

 

特徴:
脇肋部が常にしくしく痛む・
舌質が紅・舌苔が少ない・
脈が弦細数・口やのどの乾き・
顔面のほてり頬部の紅潮・
胸中の熱感・頭がぼーっとする耳鳴・
目がかすむなどの陰虚内熱や
陰虚陽亢の症候をともなうことである。

 

治法:
養陰柔肝

 

 

 

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