パーキンソン病
【パーキンソン病】
人間は大脳皮質からの指令が
筋肉に伝わる事によって体が動きます。
この大脳皮質の指令を調節し、
体の動きをスムーズにしているのが
ドパミンで、パーキンソン病は
中脳の黒質にある
ドパミン神経細胞が壊れて
ドパミンが減る事によって発症します。
西洋医学の見解では、
このドパミン細胞が急激に減っていく
理由はわかっていません。
東洋医学では脳も内臓の栄養を受け
機能しているものと考えるため、
何らかの理由で脳が内臓からの栄養を
受けられなくなると
脳に様々な疾患が出てくるものと
考えております。
頭・脳を診るのではなく、
内臓に働きかける経穴を用いて
頭・脳を栄養し、
機能させることができれば
手足の震えの制御や、
緩慢な動き、筋肉の緊張が
ほぐれるように
調えることができます。
西洋医学の見解
パーキンソン病は
1817年にイギリスの医師
パーキンソンにより、
筋肉の硬直と振るえを
特徴とする病気として最初に報告され、
当時は"振戦麻痺"と呼ばれました。
振戦とは振るえのことで
手足の動かしにくさ(無動)、
震え、こわばりなどの症状を示す
神経難病です。
脳の中の黒質と呼ばれる場所に
存在するドパミン神経が脱落して
なくなっていってしまう病気で、
進行性の病気で一旦発症すると
自然によくなったり
治ったりすることはありません。
60歳以上では
人口100人あたり1人と
多くの患者さんがいるため、
超高齢社会を迎えた日本にとって
大きな医療、
社会問題となっています。
パーキンソン病とは、
ごく一部の患者さんは
遺伝子の変異が関連しますが、
大多数の患者さんは原因不明です。
加齢に伴って
発症しやすくなりますが、
働き盛りの若いうちから
発症する患者さんもいらっしゃいます。
症状
・振戦(手足の震え)
・動作緩慢(動作の鈍さ)
・筋固縮(筋肉の固さ)
・歩行障害、姿勢反射障害
(小刻みで足をすった歩き方、
転倒しやすさ)
このほか
・歩く時ほとんど手を振らない
・一歩目がなかなか踏み出せない
などの特徴的な歩き方が
現れることもあります。
一方、体の動きと関連しない症状を
非運動症状と呼び、
自律神経症状、感覚障害、
精神症状、睡眠障害など、
さまざまな症状があります。
自律神経症状
・便秘
・立ちくらみや失神を起こす
起立性低血圧
感覚障害
・においが分かりづらくなる嗅覚障害
その他
・不安や抑うつなどの精神症状
・不眠や中途覚醒などの睡眠障害
パーキンソン病では、
これらの症状が
すべて出現するわけではなく、
症状の強さも人
それぞれという特徴があります。
治療
ドパミン系を補充する薬を始め、
様々な薬があり、
年齢や症状により
組み合わせて使います。
以下に代表的な2剤をご紹介します。
Lドパ
脳内でドパミンに変化して、
不足しているドパミンを補います。
治療効果が高く、
速効性に優れているのが特徴です。
ドパミンアゴニスト
ドパミンに似た作用をもつ薬です。
治療効果がやや弱く、
ゆっくり効くので、
1日中穏やかで安定した効果を得られます。
近年は内服薬に加え、
注射薬と貼付薬も登場し、
治療の選択肢が広がりました。
手術
薬物療法の副作用が強かったり、
症状のコントロールが難しい場合には、
手術が選択されることもあります。
主に行われる「脳深部刺激療法」では、
脳の奥のドパミンに関係する部位に
電極を埋め込み、
弱い電気刺激を与えることで
運動機能を改善します。
リハビリテーション
パーキンソン病と診断されたら、
すぐにリハビリテーションを
始めることが大切です。
有酸素運動やストレッチなどを
積極的に行うことで、
生活に支障のない状態を
長く保つことができ、
薬の使用も最小限ですみます。
また、パーキンソン病になると、
口の周りの動きの影響で、
「声が小さくなる」
「早口になる」
「声がかすれる」
などの
障害があらわれることもあります。
これらの症状にも
リハビリテーションが有効です。
東洋医学の見解
四肢抽搐とは
四肢が痙攣して
不随意に動くことを指し
「抽」=収縮
「搐」=関連して収縮し動く
という意味で、
四肢が痙攣して動き、
屈伸が止まないものは
すべて抽搐の範聴に入る。
《内経》
「瘛瘲」 と記載されており、
「瘛」=筋肉が収縮して屈すること。
「瘲」=筋肉が弛緩して伸びること。
四肢が屈伸しながら
痙攣することを意味し、
不規則な痙攣性の動きを示す
抽播とは違うが、抽播の範疇に入る。
このほかにも
抽搐に関連した記述がある。
《傷寒論》
「驚癎」 「瘛瘲」
その他の文献:
「癎証」「痙証」「痙強拘瘛」
「癎瘛筋攣」 「癎弦」 「肉瞤瘛」
「振顫」
手足の振せん(ふるえ)のことで
肢端部で顕著である。
「強直」
四肢がこわばって伸展し
屈曲できないものである。
「拘撃」
四肢が収縮して屈曲し
伸展できないものである。
この3つは痙攣性の動きを
伴わないので抽搐の範時には入らない。
(1) 風邪阻絡
風邪の外感によって
経絡が阻塞され、
気血の運行が悪くなるか、
創傷から風毒の邪が侵入して
営衛を阻害し、
筋脈が栄養されなくなって
四肢のけいれんが生じる。
特徴:
悪寒・発熱・頭痛・身体痛
などの表証を呈することである。
風毒の邪によるもの(破傷風)では、
創傷が認められ、
四肢の痙攣とともに
牙関緊急・後弓反張などみられる。
(2) 風痰挟瘀
つよい恐怖や驚きにより
肝腎が損傷し、
あるいは飲食不節による
脾胃の損傷で湿や痰が生じると、
肝の疎泄が失調して
内風が発生した場合に、
肝風が痰とともに上擾して、
四肢の痙攣をひきおこす。
外傷による瘀血で、気血が逆乱し
精血が散布されない場合も、
発作性痙攣が生じる。
特徴:
痙攣発作が反復して生じることで
発作がないときは正常な人と変らない。
また、表証などはともなわない。
(3) 肝風内動
労倦・久病などで陰精が消耗し、
肝腎陰虚となって筋脈が栄養されず、
陰虚で陽気を抑制できないために
肝陽が亢盛となり肝風が生じ、
両者が合して
四肢の痙攣をひきおこす。
特徴:
四肢の痙攣とともに、
腰や膝がだるく
無力・目がかすむ・めまい・耳鳴
五心煩熱・しびれ・筋肉のひきつり
舌質が紅・脈が弦細数などの
肝腎陰虚の症候がみられることである。
(4)熱極生風、湿熱生風
温熱病で熱邪が盛なために
陰液が消耗して
筋脈が栄養されないか、
湿熱の邪による温湿病の後期で
内風が生じ、
四肢の痙攣をひきおこしたものである。
特徴:
四肢の痙攣とともに
高熱・口渇・顔面紅潮・目の充血
尿が濃い・便が硬い・
舌質が紅・舌苔が黄・脈が数などの
熱盛の症候を呈したり(熱極生風)、
体表部に熱感がない・舌質が紅で胖大、
舌苔が黄膩・脈が滑数などの
湿熱の症候をともなう
(湿熱生風)ことである。
(5) 脾腎陽虚
嘔吐・下痢・慢性病などによる消耗で
脾胃の陽気が虚したために、
経脈が温煦を受けられなくなって
四肢のけいれんが生じる。
特徴:
寒がる四肢の冷え・顔色が白い
口渇がない・尿がうすい・
軟便・舌質が淡・舌苔が白·
脈が沈遅などの明らかな
寒証を呈することである。
(6) 肝鬱血虚
憂鬱感・悲哀感などの
心神不寧の傾向をもつ人が、
激怒したために肝気が上衝し、
気が逆乱して気血が四肢にうまく
散布されなくなり、
四肢がけいれんする。
特徴:
怒りとともに痙攣が生じ、
胸苦しい・抑うつ感・ため息・
動悸・健忘・不眠・多夢などの
肝気鬱結と心血虚の症候を
ともなうことである。
(7) 血虚生風
不正性器出血・血便などによる
血の消耗、
あるいは脾虚による
血の生化の不足などで
血が不足して
筋脈が栄養されないために、
痙攣が生じる。
特徴:
筋肉のひきつり・痺れとともに
顔色が蒼白・めまい・
口唇や爪が淡白・脈が細などの
肝血虚の症候を呈することである。
(8) 中毒
薬物の服用・化学的毒物などとの
接触という既往があって
発生する四肢の痙攣で、
原因によって症候が異なる。
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