前立腺肥大

【前立腺肥大】
前立腺は男性のみある器官で、
尿道を取り巻いている内腺と、
その外側に存在する
本来の前立腺である外腺からなり、
前立腺肥大症は、
この内腺が肥大する疾患。

前立腺の真中には尿道が通っており
肥大症のこぶが大きさを増してくると、
全体的に大きくなるとともに
内部を圧迫し尿道を狭くする。
その結果、排尿において
さまざまな支障が生じ、
日常生活に影響が出てくる。

西洋医学では原因不明とされる
前立腺肥大。そもそも前立腺の役目は
精液の構成に大きく関係しているものと
考えられております。

では、その精液を構成する素材は
内臓から送られてくる血液や栄養素から
組成されるものなので、
その内臓が不調に陥ると
前立腺にも影響が出てきます。
内臓の働きは扶けて磨き上げる事で
前立腺を正常に栄養できれば、
肥大してしまった前立腺を
改善することができます。

ここでは、前立腺肥大の
西洋医学と東洋医学の見解を
ご紹介しております。

 

 

 

 

西洋医学の見解

 

前立腺は膀胱の下にあり、
なかを尿道が通っている。
大きさは栗の実ほどで、
その重さは数グラムほどのもの。

前立腺の機能などについては、
まだ解明されていない部分もあるが
精液の構成成分となる
前立腺液の分泌がおもな働き。

さらに精子に栄養を与える、
精子の運動能力を高める
といった働きや、
射精における収縮、
尿の排泄などの役割も担っている。

 

前立腺肥大

 

前立腺は男性のみある器官で、
尿道を取り巻いている内腺と、
その外側に存在する本来の前立腺である
外腺からなり、前立腺肥大症は、
この内腺が肥大する疾患。


30
歳代後半になると
内腺に小さな結節(こぶ)ができ始め
40歳代では40%
50歳代では50%
60歳代では60%
70歳代では70%の人に見られる。

80歳以上の男性では
大部分の人にこのこぶが出来ており、
内腺が肥大すると、
外腺は外側に圧迫される。

前立腺の真中には尿道が通っており
肥大症のこぶが大きさを増してくると、
全体的に大きくなるとともに
内部を圧迫し尿道を狭くする。
その結果、排尿において
さまざまな支障が生じ、
日常生活に影響が出てくる。

 

 

原因

原因についてはまだ不明な点が多いが、
加齢と男性ホルモンという
2つの要因が必要であることは
広く認められており、肥大症結節は、
30歳代ではまれにみられるのみだが、
加齢とともにその頻度は増加。
また若くして
男性ホルモンがなくなった状態
(かつての中国の宦官や事故による
両側睾丸摘出術後など)では
前立腺肥大症は発症しない
という事実があり、
前立腺肥大発症には青壮年期に
十分男性ホルモンにさらされる
必要がある。

前立腺肥大に男性ホルモンが
大きく関係しているのは間違いなく、
抗男性ホルモン療法
(男性ホルモンを押さえる治療法)
により前立腺がある程度
小さくなるのがその裏付けになる。

 

 

治療

前立腺肥大症の初期には
治療の必要はないが、
軽症~中等症になると
薬物療法を行なう。

薬

 

・薬物療法

前立腺や尿道の筋肉の緊張を
和らげて尿を出やすくする
α1遮断薬」が最も多く使われる。
α1遮断薬」は即効性があり、
通常は飲み始めて
1週間以内から効果が出てくる。
そのほか、即効性はないものの
男性ホルモンの作用をおさえて、
肥大した前立腺を徐々に
小さくする作用がある
還元酵素阻害薬」や、
頻尿や残尿感などの症状を
和らげる効果のある
植物製剤や漢方薬なども使われる。


薬物療法を行なっても
排尿症状が改善せず、
尿閉や血尿、膀胱炎を繰り返す場合や、
膀胱結石ができたり
腎機能が悪化すれば手術が勧められる。

 

 

膀胱炎

 

 

東洋医学の見解

膀胱に尿が貯留ししているが
排出が困難なことを指し、
甚しいときには
点滴するだけで出なくなる。

「尿閉」 「排尿困難」 に相当し、
古籍では種々の名称が用いられている。

 

《素問・宣明五気論》
「癃(りゅう)

 

《素問・至真要大論》
「不得小便」

 

《素問・五常政大論》
「癃閉」

 

《素問・痺論》
「胞痺」

 

《霊枢・経脈篇》
「閉癃」

 

《霊枢・本輪編》
「閉癃」「溺閉」「溺癃」

 

《霊枢・邪気臓腑病形篇》
「癃㿉」 「㿉癃」

 

《景岳全書・閉論証》
「小水不通」

 

《寿世保元》
「溺洩不通」

などとある。

 

 

 

・下焦湿熱

《諸病源候論・小便病諸侯》
「小便不通は、膀胱と腎ともに
熱を有するゆえによるなり」

湿熱が膀胱に停滞しているか
他臓から膀胱に熱が移り、
湿熱が膀胱の気化を失調させる
ことによって発生する。

 

特徴:
尿量が少なくて濃く、
排尿時に灼熱痛があるほか、
下焦の湿熱内蘊の症候
がみられることである。

 

治法:
清熱利湿・通利小便

 

 

・肺気壅滞

肺気滞の小便不通は、
上焦に病因があって
下焦の症状が出現したもので、
肺は水の上源であるから、
何らかの原因で
肺気の粛降が障害されると
水道の通調が障害され、
影響が下焦に及んで発生する。

 

特徴:
尿があまり濃くなく、
排尿時の灼熱感がないほか、
上焦と下焦の気滞の
症状がみられることである。

 

治法:
提壷掲蓋で下病上取し、
鼻孔を刺激してくしゃみをさせたり
嘔吐させて肺気を開くとよい。
長期にわたって化熱した場合には、
清肺飲に通利小便の薬物を加える。

 

 

前立腺肥大

 

・脾虚気陥

脾虚の体質・過度の労働に
よる脾の損傷・
食事の不節制による
中気の消耗などで、
脾気虚から中気下陥となり、
排尿に必要な力がなくなったために
発生する。

 

特徴:
脾の運化不足と中気下陥の症候があり、
排尿困難は間歇的で増減があり、
疲労によって症状が
誘発されることである。

 

 

治法:
補中益気・通利小便

 

 

・腎気不足

慢性の消耗性疾患・老化・
過度の性交などにより
腎陽が衰弱し、
腎気の蒸化が不足して
排尿力が低下したために生じる。

 

特徴:
腎陽虚の症状がみられ、
頻繁に尿意があるのに
排尿が困難であるという
腎虚失約の症状がみられることである。

 

治法:
温陽益気・補腎利水

 

 

・肝気欝結

情緒の失調で肝の疏泄が
障害されたために
膀胱の気滞が生じ小便不通となる。

 

特徴:
ゆううつ・いらいら怒りっぽい・
脇が苦しい・脈が弦などの
肝気欝結の症状をともなうことである。

 

治法:
疏肝理気・通利小便

 

前立腺肥大

 

・血瘀

外傷・気滞血熱など
種々の原因で血瘀が発生したため
に生じる。

 

特徴:
下腹部が張る・固定性の疼痛・
腹部に腫塊を触れる
舌質は暗紫色で点がある・
脈は渋などを呈することである。

 

治法:
行瘀散結・通利水道

 

 

・砂石

下焦に湿熱が停滞したり、
肝欝化火から熱が下集に及んだり、
脂っこいものや甘いものの
嗜好で湿熱が内生し下焦に流注し
湿熱が尿を濃縮したために
石が発生して生じる。

 

特徴:
砂石が尿道を刺激するので
裂けるような痛みがあり、
尿が出ると症状が緩解することである。

 

治法:
清熱利湿

 

 

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