乾癬

乾癬

【乾癬】
皮膚から少し盛り上がった
赤い斑(紅斑)の上に、
乾燥した白い鱗屑(アカ)が
厚く付着し、ボロボロと
はがれ落ちる病気です。
皮疹は徐々に全身に広がりますが
他の人に感染する病気ではありません。
皮膚症状の見た目や現れる場所は
人によってさまざまですが、
頭皮や髪の生え際、ひじ、ひざ
など比較的外からの刺激を受けやすいところに出やすいという傾向があります。

西洋医学では
乾癬は原因不明とされていますが、
東洋医学は皮膚の病でも
内臓の弱りや滞りを疑います。

そもそも人体は
飲食した物を胃で受け止め、
消化・吸収し、
他の臓腑で気血を化合して

全身に散布して体を栄養し
肉となり、皮膚となります。
この過程において、どこかで
エラーを起こすと結果的に正常な
肉や皮膚にならず
出来上がってしまいます。

では、どの臓腑の問題なのか?
が乾癬という疾患を
改善させる鍵になります。

このページではその乾癬に対する
西洋医学と東洋医学の
見解を述べております。

 


西洋医学の見解

 

乾癬とは、免疫の異常によって
皮膚や関節に特徴的な
発疹などが起こる病気。

感染症ではないため
周囲の人にうつることはない。

約半数の患者にかゆみがみられ
患者の約90%が皮膚のみに症状が現れる
「尋常性乾癬」で、
そのほか関節炎を併発する
「関節症性乾癬」、
発疹が全身に及ぶ「乾癬性紅皮症」、
咽頭炎の後などに小型の発疹が多発する
「滴状乾癬」、
紅斑に膿疱を伴い、発熱などの
強い炎症反応が起こる
「汎発性膿疱性乾癬」がある。

乾癬は慢性で発疹が
繰り返し出る病気である。

 

 

原因

乾癬には
免疫機能の異常が関わっており、
免疫に異常をきたしやすい体質の人に
環境ストレスなどの刺激が
加わることで乾癬を発症すると
考えられている。

 

乾癬の患部では、
皮膚の表面に角質が積み重なり、
皮膚が厚くなっている。
これは、皮膚の新陳代謝が
異常に活発になり、
通常の約10倍の速さで
皮膚がつくられるためで、
なぜこのようなことが起きるのか?
そのしくみはまだ完全には
解明されていないが、
最近の研究により
免疫機能の異常が関与していること
が分かってきた。

 

 

 

乾癬

 

 

治療

乾癬は炎症性角化症の代表的疾患。
炎症と角化症に対する
治療法を分けて考えると
理解しやすい。

 

1、皮膚の炎症を抑える

ステロイド外用剤
サイクロスポリン内服薬
メソトレキサート内服薬
・紫外線療法(PUVA.UVB

 

2、表皮増殖(角化症)を抑える

ビタミンD外用剤
レチノイド(チガソン)内服薬
紫外線療法(PUVA.UVB

 

3、その他個別の関連症状に対する治療

非ステロイド系消炎鎮痛剤
(関節症乾癬の関節炎に対して)

抗生物質(関連する感染症に対して)

  

このように乾癬の治療法は
バラエテイに富んでいるが
これといった完治を約束する
決定的な治療法が
無いことも意味している。

 

 

乾癬

 

東洋医学の見解

 

疕とは、
白色の厚い鱗屑と瘙痒をともなう
難治性皮膚疾患である。

《諸病源候論》では「乾癬」と称し
「ただ匡廓あり、皮枯索痒し、
これを掻き白屑出づるこれなり」

と述べている。

《医宗金鑑》では「白疕」と称し、
「形は疹疥のごとく、色白くして痒く、
掻きて白皮を起す」 という。

《外科証治全書》は「疕風」 と称し、
「皮膚燥き起り疹疥のごとくして
色白く、
これを掻き屑起り、
漸く肢体枯燥に至り、
折裂し血出で痛楚す」 と記している。

「乾癬」「疕風」 とは
疕のことである。

 

 

(1) 血熱

心肝二経の欝熱によるもので、
血分に熱が欝して
肌膚を蒸灼するために生じる。

 

特徴:
発病が迅速で、
基底部の発赤が著明で鱗屑が厚く、
剥離すると点状出血が生じ、
瘙痒があり、焦燥感 便秘・尿が濃い・
舌質は紅などを呈することである。

 

治法:
清営涼血・活血

 

 

(2) 血燥

陰虚血虚の体質あるいは
毒熱が長期間停滞して陰血が消耗し、
皮膚が栄養されないために発生する。

 

特徴:
淡紅色の斑で浸潤が明らかであり、
鱗屑は乾燥して薄く少ないことである。

 

治法:
養血滋陰・潤膚

 

 

乾癬

 

(3) 血瘀

気血が虚したために
気は血を行らすことができず
血瘀を生じ、
皮膚の栄養が傷害されて発生する。

 

特徴:
暗紅色の大きな肥厚性の斑で、
鱗屑は厚く緊密に附着し、
慢性に経過する。

 

治法:
活血化瘀・行気

 

 

(4) 湿熱

湿滞が続いたためにして化熱し、
湿熱が停滞して
肌膚に溢れたために発生する。

 

特徴:
深紅色の斑に脂漏性の鱗屑
あるいは厚い痂皮をともない、
鱗屑下に軽度の滲出があったり
膿疱が生じ、手掌足蹠あるいは
全身にみられることである。

 

治法:
清熱除湿・解毒

 

乾癬

 

(5) 毒熱

湿熱の停滞が長期化し
欝して化毒したり、毒邪を外感し、
毒熱が盛んとなって生じる。

 

特徴:
びまん性に皮膚が紅潮し、
灼熱感と大量の落屑をともない、
発熱・悪寒・便秘・尿が濃い。

 

治法:
清熱涼血・解毒除湿

 

 

(6) 寒湿

寒湿の邪が経絡を阻滞し
気血が凝滞して生じる。

 

特徴:
暗紅色の斑で、
手足の小関節の腫脹・疼痛・
変形をともない、
寒冷期に増悪することである。

 

治法:
温経散寒・除湿通絡

 

 

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