眼瞼下垂

 

眼瞼下垂

眼瞼が下がってくる病。
内臓から発する経絡経穴は
全身を網羅しており、
眼瞼の上にも経絡は流れています。
その為、内臓の不調があれば
経絡を介して痛みや痺れ、
腫れや麻痺といったサインを出します。
眼瞼下垂といった疾患の場合も
東洋医学では内臓の弱りを疑います。
脳からの神経の問題だったとしても、
脳は内臓から作られた気血によって
栄養されて働いているため、
内臓が不調になると脳も正常に機能せず
神経系統の伝達がうまくいかず
眼瞼の操作が鈍ることもあります。

なので、眼瞼下垂といった疾患でも
内臓の不調を見つけて扶けることが
できれば、眼瞼下垂といった
疾患でも対応可能です。

 

ここでは眼瞼下垂に関しての
西洋医学と東洋医学の
見解をご紹介致します。

 

 

 

西洋医学の見解

 

 

 

眼瞼下垂は、
なんらかの原因で
瞼を挙げる筋肉(眼瞼挙筋)
の動きが上まぶたの
縁に伝わらなくなって、
上まぶたの開きが悪くなる病気。

 

 

黒目部分が
半分以上隠れている方は、
眼瞼下垂の可能性があります。

 

 

 

原因

 

 

 

1. 皮膚のたるみ

加齢によって
上眼瞼の皮膚がたるみ、

これが視野の妨げとなっている状態です。

 

この場合、眼瞼挙筋などの
まぶた内部の構造に異常はないため、
たるんだ皮膚を
切除する方法が適応となります。

 

 

 

 

2. 眼瞼挙筋のゆるみ

 

眼瞼挙筋と瞼板の付着部分が、
様々な原因
(加齢、
ハードコンタクトレンズ
の長期装用など)

により、ゆるんで上方に
ずれてしまうことで、
挙筋が収縮してもまぶたが十分に
開けられなくなる状態です。

 

 

この際、筋肉の上にある
眼窩脂肪や重瞼のラインも
同時に上方に引き込まれ、
まぶたの陥凹が目立ったり、
ふたえの幅が広くなったり、
消えてしまったりすることがあります。

 

 

この場合、ずれてしまった
挙筋付着部を元の位置で
固定し直す手術が必要となります。

 

 

 

眼瞼下垂

 

 

 

 

3. その他

 

 

他にも、生まれつき筋肉の動きが弱い
先天性眼瞼下垂や、
神経と筋肉の接合部の異常により
筋肉が動かなくなる重症筋無力症、
ウイルスや外傷などにより
顔面神経が損傷され、
おでこの筋肉が動かなくなる
ことでまぶたが下がった
ように見える顔面神経麻痺、
顔面神経の異常興奮により
眼輪筋が収縮し
目が開けにくくなる
眼瞼痙攣などがあります。

 

 

 

これらの症例では、
薬物治療や、
特殊な手術が必要となります。

 

 

①重症筋無力症


②顔面神経麻痺


③眼瞼痙攣

 

 

 

 

 

治療


上記の①〜③以外では

薬や注射が効かないことが多いので
基本的に手術による治療になります。

 

 

手術によって
まぶたを吊り上げる筋肉を短くし、
あまった上まぶたの皮膚を
切除することで改善します。

 

 

加齢によるものの多くは
両眼にありますので、
両側の手術を必要とします。

 

 

 

 

 

 

眼瞼下垂

 

 

東洋医学の見解

 

 

上胞下垂とは
上眼瞼が下垂して
挙上するのが困難なことを言う。

 

《諸病源候論》
「唯目」「侵風」

 

《普済方》
「眼険垂緩」

 

《目経大成〉
「瞼廃」

 

このほかにも
「脾倦」「胞垂」

 

現在では「上胞下垂」
と統称されている。

 

 

 

 

(1)気虚下陥

 

飲食不節・憂思などによる
脾の傷害や脚胃虚弱の体質のために
脾胃の気が虚して下陥し
提瞼が無力となるとともに、
血の生化が不足して
筋を栄養できず
筋が他緩し約束ができ
なくなることにより発生する。

 

 

特徴:
発症が緩慢で次第に重症度を増し、
気虚下陥の全身症状をともなうこと。

 

 

 

 

(2) 風邪入絡

 

 

風邪が経絡に侵入して
筋脈を傷害したために発生する。

 

特徴:
発症が急激で、
痒み・頭痛・目が張るなど
の症候をともなうことである。

 

 

 

 

 

(3) 気滞血瘀

 

外傷によって瘀血が経絡を阻滞し
胞瞼が弛緩したり、
筋脈が切断し気滞血瘀となって
胞瞼が提挙できなくなって発生する。

 

 

特徴:
外傷ののちに眼瞼が下垂することである。

 

 

 

 

 

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