逆流性食道炎
逆流性食道炎も多くの方から
ご相談を受ける疾患です。
薬を飲むことで抑え込むことはできても
根本的な改善にはなっていません。
胃から胃液が突き上がってくることで
粘膜のない食道がモヤモヤする病です。
西洋医学では
食道と胃を入念に診ますが、
東洋医学ではもっと広く診ます。
というのも、五臓六腑は皆連携して
働いているものと考えているため、
もっと他臓腑の不調が関係してくる
ことがあります。
臨床的には、胃も被害者で、
もっと下から突き上げられてる
ことが多いです。
ここでは逆流性食道炎に関して
西洋医学と東洋医学の
見解をご紹介致します。
西洋医学の見解
逆流性食道炎とは、
胃と食道の間にある「下部食道括約筋」
という筋肉が緩むなどの原因で、
胃酸が食道へ逆流しやすくなることで
胸焼け、呑酸
(喉や口に酸っぱいものが込み上る)、
頻繁なげっぷ、咳、胃痛、
喉の違和感などの症状が現れる病気。
原因
胃と食道の間にある
「下部食道括約筋」という
筋肉の機能が低下により、
胃酸が食道へ逆流してしまい、
食道の粘膜がただれたり、
腫瘍が生じたりするほか、
胸焼けなどの不快な症状が起こる。
それ以外にも、
肉や脂っこいもの中心の
食生活を続けることで、
胃酸が過剰に分泌されて
症状を引き起こす場合がある。
ほか、
・食後すぐに横になる
・腹部の締めつけ
・腹部に負担のかかる動作
・妊娠
などが原因で、
胃酸の逆流が起こるケースもある。
治療
「PPI(プロトンポンプ阻害薬)」
「H2ブロッカー」など、
胃酸の分泌を抑制するお薬を
中心に処方して症状を改善させる。
他には、生活習慣の改善が必要で
患者から普段の生活スタイルを
変えてもらうことで
症状の改善と再発防止をはかる。
東洋医学の見解
呑酸とは、口中に酸っぱい液体が
あがってくることをいう。
《脈経》「呑酸」
《諸病源候論》「酸」
《三因方》「咽酸」
と称している。
・肝気犯胃と食滞の呑酸
どちらも胃の灼熱感があるが、
情志によるものと
食傷によるものの違いがある。
・肝気犯胃
悩みや怒りなどによって
肝欝気滞となり、肝気が横逆して
胃を犯したために発生する。
特徴:
胃の灼熱感・胸脇部が張る・
いらいら怒りっぽい口が苦い・
咽の乾燥などの
肝気欝結の症候を呈することである。
治法:
清肝理気・和胃降逆
・食滞
飲食の不節制によって
食物が中焦に停滞し、
胃の和降ができなくなり発生する。
特徴:
胃の灼熱感・食臭や腐臭のある暖気・
胃がつかえる・食べたくない・
舌苔は厚膩などの
傷食の症候を呈することである。
治法:消食導滞・理気和中
・胃寒
生ものや冷たいものを過食したり
寒湿の邪を感受し、
寒湿が中焦を阻害して気滞を生じ、
脾胃の機能が失調して発生する。
特徴:
胸がつかえて苦しい・
食欲不振・舌苔が白滑などを
呈することである。
治法:
養脾胃・理気和中
・胃熱
辛辣なもの脂っこいものの嗜好や
飲酒癖などで胃中に熱が欝したり、
熱邪が胃腑に侵入することにより、
胃気の和降ができなくなり発生する。
特徴:
胃部不快感に呑酸・
胃部の灼熱感・疼痛をともない、
舌苔が黄、脈が洪などの
熱症を呈することである。
治法:
清胃瀉火
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