顎関節症

顎関節症も最近よく見受ける病です。

西洋医学では、
“歯の噛み合わせの問題”と
診られていましたが、
噛み合わせを矯正しても
解決しないことから、
他に原因があるのではないか?
と見直されているようです。

噛み合わせでなければ何なのか?
顎関節を通る経絡から
紐解くこともできますし、
五臓六腑の連携がうまくいかず、
普段から食いしばってしまい
顎が痛いのか?など、
東洋医学でも様々な要因が考えられます。

 

こちらでは、顎関節症に関する
西洋医学と東洋医学の
見解をご紹介致します。

 

 

 

 

西洋医学の見解

 

顎関節症は、
顎(あご)の関節や顎を動かす
咀嚼筋に異常が起こり、
「顎が痛い」、「口が開きにくい」、
「音がする」、あるいは
「ものが噛みにくい」といった
症状が現れる病気。

 

顎関節症の痛みは、
顎関節の痛みと
咀嚼筋の痛みに分けられ、
そのいずれか、あるいは両方が痛む。

口が開けづらくなる要因としては、
顎関節内部の関節円板がずれて
関節の動きを妨げている、
あるいは咀嚼筋の痛みで
顎が動かせないことが挙げられる。

 

顎関節症

 

原因

今までは歯の噛み合わせの
悪さが原因だと考えられてきた。
ただ、噛み合わせは
原因の一つに過ぎず、
近年では多くの要因が絡んでいることが
わかってきた。

 

要因
・噛み合わせの不良
・顎関節そのものがもともと弱い
・ストレスや不安などからくる
 顎の筋肉の緊張
・外傷

など。
また、日常生活における
習慣や癖なども大きく影響している。

例)
頬づえや歯ぎしり、
唇や頬の内側を噛む癖、
食いしばり、
片側の歯での偏った噛み方の癖、
うつぶせ寝の習慣、
猫背など。

 

 

治療

問診で判明した原因と思われる
癖や行動を改善していく。

例)
・硬い食品の咀嚼や
 長時間の咀嚼は避ける
・頬づえをやめる
・姿勢を良くする
・歯の食いしばりに気づいたら
 上下の歯に隙間をつくる

・強い緊張を感じる環境を改善する
 あるいは避ける

 

同時に鎮痛薬で痛みを抑えながら、
マウスピースのような
プラスチックなどの
補助器具を歯列にかぶせ、
顎関節の負担を軽くする。

 

 

顎関節症

 

東洋医学の見解

 

口噤とは歯をくいしばって
口を開けることができないことを言う。

 

・外感風寒と裏熱壅盛

いずれも外邪によって発生する。
発熱、頭部のこわばりをともなうが、
寒熱・表裏の違いがある。

 

外感風寒

風寒湿邪が三陽の経絡に
侵入したために発生し、
太陽痙病に属する。

 

特徴:
軽度の口と項背部の強ばりがみられ、
悪寒・頭痛・脈が浮・舌苔が白などの
表証をともなうことである。

 

治法:
宣散外邪

 

 

裏熱壅盛

風寒の邪が裏に入って化熱したり、
温熱の邪が裏に入り、
熱邪が気分で盛となったり
肝風をひきおこして発生する。

 

特徴:
つよい口や歯ぎしりがみられ、
項背部のこわばり・甚しければ
後弓反張・四肢のひきつりをともない、
高熱・顔面紅潮 目の充血・
口唇の乾燥・便秘・尿が濃いなど
の実熱の症候を呈することである。

 

 

治法:
清瀉裏熱

 

 

・陰虚

温熱病の後期で
熱邪が陰液を消耗した場合、
発汗・下痢などによる傷陰、
慢性病・出血・産後などの
陰虚血虚などで、
陰液・血が不足したために
筋脈が栄養されないで拘縮し、
口噤が発生する。

 

特徴:
軽度の口噤・手足のふるえ・
筋肉がピクピクひきつるなど。
また、午後や夕方の発熱・
頭のふらつき・
焦躁感・
やせる
舌質が紅・舌苔が少
脈が細数などの陰虚の症候をともなう

 

治法:
滋陰養血・熄風

 

顎関節症

 

・寒邪直中

外感風寒と同じく
寒邪によって生じるが、
表裏の違いがあり、
外感風寒は表寒を呈するのに対し、
本証は裏寒である。

 

特徴:
口がこわばってしゃべれず。
呼気が冷たい・腹痛・下痢・
手足の冷え・顔色が青紫・
脈が沈弦などを呈することである。

 

治法:
温中散寒

 

 

・気欝痰壅

雑病でよくみられ、
痰気が欝結して清を閉塞したり
経絡を阻塞して発生する。
情緒が激変したり
憂思悩怒することによって誘発される。

 

特徴:
歯をくいしばる以外に、
一過性の意識障害・けいれん・
身体の強直などをともなうことである。
また、発作が反復して生じる

という既往歴がみられることが多く、
発作の時間は短かく、
喉に痰がつまる・呼吸促迫・
舌苔が白臓などの痰証もみられる。

 

治法:
理気開竅・豁痰

 

 

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