胸郭出口症候群

胸郭出口症候群

胸郭出口症候群とは、
首の筋肉、鎖骨、第一肋骨、
胸の筋肉などが鎖骨の下を通って
腕に延びる神経や血管を圧迫し、
手や腕のしびれ、痛み、はれ、
だるさ、肩こりなどを起こします。
骨が単体で神経を圧迫すること
はないので
筋肉が主体となって強張り、
骨を巻き込んで神経を圧迫します。
筋肉を物理的にほぐすことはできても、
本質的なところで変えていかないと
症状は治ってくれません。

では、本質的な改善点を
どこに求めるか?を考えた時、
東洋医学では内臓に求めます。
そもそも体の中にある内臓が連携して
気血を生成・運搬して体は栄養され
機能するわけですが、逆に
内臓が弱ってくると連携が滞り、
体を栄養できず、体のあちこちで
凝りや痛みなどのサインを発します。

内臓を扶けることで、再び代謝が
活性化され体を栄養できるようになれば
強張った筋肉が自然と自ら緩み、
神経を圧迫することが改善すれば
肩や腕の痛みや痺れも改善できます。

ここでは胸郭出口症候群の
西洋医学と東洋医学の
見解をご紹介致します。

 

西洋医学の見解
胸郭出口とは、鎖骨と第1肋骨の間にある
狭い隙間のことで、
頚椎から手へとつながる神経の束や
血管がこの胸郭出口を通っている。
胸郭出口症候群とは、
胸郭出口で神経や血管が圧迫されて
生じるさまざまな症状の総称。
主な症状は、上肢のしびれや
脱力感、肩・腕・肩甲骨周囲の痛みなど。

 

胸郭出口症候群

①斜角筋症候群
前斜角筋・中斜角筋、頚部の筋肉の間で圧迫される。

②肋鎖症候群
鎖骨と第1肋骨の間で圧迫される。

③小胸筋症候群
小胸筋部で圧迫を受ける。

④頚肋症候群
先天性の奇形で頚椎にある
余分な肋骨で圧迫される。

これらを総じて、
胸郭出口症候群と呼ばれている。

症状
・頭痛・肩凝り
・上肢の痛み、痺れ、倦怠感
・血行障害として皮膚蒼白、冷感、浮腫
・自律神経症状の顔面の発汗異常、嘔気
これらの症状が、
上肢の挙上や持続的な運動で
増悪するのが特徴。

治療
肩を上げる挙上運動や首の運動などがあり、
首や肩の周辺の筋肉の緊張を緩和させ、
同時に腕立て伏せなどで肩周辺の筋力を強化する。
症状が強く、これらの方法で
効果のない場合は手術もある。

胸郭出口症候群

東洋医学の見解
臂痛とは肩以下で腕以上の
上肢全体の疼痛を指す。

風寒湿痺
風寒湿邪が上肢の肌肉・関節・筋脈を
侵襲して経絡を閉阻し、
気血の運行を障害したために
「通ぜざればすなわち痛む」
となったものである。
風寒湿のどの邪がつよいかによって
症状も異なる。

風邪がつよい場合は疼痛は遊走性で、
寒邪がつよいときは疼痛もつよく
患部の冷え・寒冷による
上肢筋肉のひきつりや強ばりがみられる。
湿邪がつよい場合は重だるく痛み、
局部に浮腫があり、
湿邪は性質が粘臓であるから、
痛みよりだるさの方が顕著である。
風邪は陽邪であるから
燥熱に変化しやすく
寒邪も湿邪も欝すると化熱し、
陽盛の体質の場合も化熱しやすいので
熱痺が発生する。
熱痺では、疼痛・発赤・
腫脹・灼熱感がみられる。

以上のように
疼痛の性質・程度・症候
から鑑別することができる。

治法:
祛風湿であるが、
病邪のつよさによってやや違いがある。

 

風邪
風通絡・散寒法湿

寒邪
散寒止痛・祛風除湿

湿邪
除湿通絡・祛風散寒

熱痺
清熱通絡・祛風勝湿

気血両虚
虚弱体質・久病などによって
脾胃が虚し、気血生化の源が不足して
臂部の肌肉・筋脈・関節を濡養できずに発生する。
気血不足のために
外邪に対する抵抗力が減弱し、
風寒湿の邪の侵襲をうけて
臂痛があらわれることが多い。

特徴:
上肢がだる痛くしびれ、
だるさとしびれが主で、
関節や筋肉に力がない・
皮膚につやがない・疲労感・
脱力感などをともなうことである。

治法:
気血双補・調理脾胃

胸郭出口症候群

・血瘀
多くは外傷によって生じ、
上肢の疼痛・腫脹・圧痛をともない、
あるいは軟部組織・筋肉・
関節の損傷がみられる。

内出血のために瘀血を形成し、
腫脹し青紫色を呈し、血瘀よって
「通ぜざればすなわち痛む」
となったものである。

治法:
活血通絡・祛瘀生新

このほか風寒湿痺が慢性化すると
絡脈が閉阻して気血の運行が失調し
経気が痺塞して気滞から血を生じる。
 「久しく病めば必ず瘀となる」 である。
肌膚の知覚麻痺・肌につやがない・
筋肉の萎縮などがみられるが、
これは脈絡が阻されて気血が濡養
できなくなったからである。

治法:
行瘀活血・捜剔絡道

 

痰湿
脾胃陽虚によって痰飲が生じ、
痰飲が経脈に流注して
気血の運行を阻害するために発生する。
脾虚がつよいときは、
清陽が昇らないために眩暈・ 胸苦しい・
悪心・軟便などを呈する。

治法:
健脾化飲・法痰和絡

腎虚がつよいときは
温煦作用が低下するために
寒がる四肢の冷え・むくみを呈する。

治法:
温腎助陽・蠲飲化痰


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施術者紹介筆者:為沢 一光

16年間勤めた鍼灸院を退職し2021年独立。
東洋医学の神髄を探求し続け、
刺激が極めて少ない接触するだけの刺さない鍼”鍉鍼(ていしん)”を用いて難病から
不定愁訴まで、数多くの疾患に立ち向かうベテラン鍼灸師。