【症例】耳鼻咽喉科疾患

耳鳴り・難聴・突発性難聴や
嗅覚障害・副鼻腔炎・顔面神経麻痺など
耳鼻咽喉科疾患の症例をご紹介します。

騒音性難聴:
4歳  男児  幼稚園

・初診

騒音性難聴

現在ある症状は
聴覚過敏と低音の聴力の弱り。
聴覚過敏は拡声器や機械音、
※家にある音の鳴る玩具、
車のエンジン音、消防車、
赤ちゃんの泣き声などに
敏感に反応し、耳を塞いでしまう。
低音の音が聞こえていないのは
※玩具の高音には敏感に反応するが
低音は聞こえていないよう。

もともと多感なところがあり
色んな刺激に対して
神経質な面があるとのこと。

 

(詳しい問診事項は割愛します)

 

四診より肝鬱気滞と診立て施術。
施術中からクタ~っと脱力した感じになり
よく気が抜けてきたよう。
家にある音の鳴る玩具を基準に
音の聞こえ方を診てもらう。

 

・5診(前回施術から12日後)
騒音性難聴

初診~4診は
短い施術間隔で診させてもらい、
4診の頃には大分改善していた。
”施術間隔を空けても大丈夫か?”
を検証する為
5診目は前回から12日ほど空いたが、
症状がまた戻ることなく
順調に過ごされていたので、
今回を以て定期的な施術終了。


・施術回数
5診

・頻度
週1回~2週間

・期間
約1カ月半

顔面神経麻痺:
50代  男性  会社員

・初診

顔面神経麻痺

患部は左目と左頬にかけての麻痺。
また、顔面神経麻痺と同時に
左肩も挙上不利もあり。
(ある手術を受けた直後に出た
両手の痺れは入院中のリハビリで改善。)

医師の説明だと”今回の顔面神経麻痺は
ウイルスによるものかストレスによるもので
手術は成功したため、
手術による影響ではない”
と説明を受け、抗生剤を服用するも
顔面神経麻痺の症状は変わらず。
手術の経過は良好だったため
退院する運びになるが
顔面神経麻痺は改善せず。

 

(詳しい問診事項は割愛します。)

 

四診より、
肝鬱気滞と診立て施術。
施術直後は体の緊張が解れた感覚あり。
効果が出るまでなるべく詰めて診させもらう。

・4診(前回施術から4日後)

顔面神経麻痺

初診~2診と症状が変わらなかったため、
3診目に気滞血瘀と施術方針を変え
治法は駆瘀血で処置したところ。
結果、頬の芯の部分の緊張が
よく解れたようで
食事をこぼすことが減ってきたとのこと。
手応えはあったので、
この処置を重ねて施していく。

 

・8診(前回施術から19日後)

顔面神経麻痺

4診~7診の間で大分症状は改善しており
大分安定していたが、
”施術間隔が空いても症状がぶり返さないか?”
が課題だった。

お正月休みもあり19日間空いたが
症状がぶり返すこともなく、
日常生活も問題なく過ごせていた。
(左肩の挙上不利も改善してました)

経過良いので今回を以て施術終了。
何かあればすぐ連絡頂くようお伝えしました。

・施術回数
8診

・頻度
週1回~

・期間
約2カ月間

副鼻腔炎:
30代  女性  自営業
・初診
副鼻腔炎
症状は副鼻腔炎による鼻閉と頭痛。
中耳炎も併発していたが、
点耳薬で今は改善している。
頭痛は前頭部~コメカミ辺りにあり、
幼少期にも副鼻腔炎を何度も繰り返し
再発していたとのこと。
副鼻腔炎以外には、
頻尿で1日に10~20回は尿が出る。
月経周期が安定せず
ここ数年 婦人科の薬を服用している。
他には便秘のため防風通聖散を服用中。

(詳しい問診事項は割愛します。)

腎気虚が深いが、
現象として気滞血瘀が発生している。
補腎を主体にして少しだけ駆瘀血を加える。
施術後は体が軽くなっていたが、
腎気虚が深そうなので
コツコツ診ていく必要あり。

 
・4診(前回施術から15日後)
副鼻腔炎
第一工程として
初診と2診は活化化瘀を施し、
3診目から第二工程に移り補腎を施す。
それがよくハマり、
前回施術から2週間経ったが
日を追う毎に寛解してきたとのこと。
頻尿もマシになり、
腎気が良く建ってきた。
調子が良さそうなので
また鼻詰まり、頭痛が出てきそうな時に
連絡頂くようお伝えし
定期的な施術は終了とした。

・施術回数
4診

・頻度
1週間~2週間に1回

・期間
約1カ月半

突発性難聴:
60代  女性  主婦

・初診

突発性難聴

 

患部は左耳で、
常にキーーーンという
高い耳鳴りが鳴り続けており、
常に⑩(音量が)鳴っているとしたら
⑮くらい大きくなることがあり
⑩以下小さく鳴ることはない。
耳鳴りが大きくなると、会話するときに
相手に大きな声で喋ってもらわないと
声が聞こえない。
また、⑮程大きく鳴るのは時々だったのが、
最近、頻繁に長時間⑮鳴っている。

耳鳴り以外にはお腹が元来弱く、
刺激のある物を食べるとすぐに
腹痛になる傾向がある。

 

(詳しい問診事項は割愛します。)

 

四診より、
脾胃虚弱と診立て施術。
施術後は体が軽くなりスッキリされていた。
耳鳴りについては腎の弱りを疑うが、
下地としてまず
脾胃を建てていく必要があるので
これを先に着手していく。
脾胃を補強してゆく過程で
腎も建てば宜しいし、
建たなければ直接腎を補っていく予定。

 

・7診(前回施術から1週間後)
突発性難聴

初診から約1カ月になるが、
その間 約週1回ペースで施術。
4診目までは耳鳴りの変化がなかったが
お腹の調子が良くなってきて、
何を食べても大丈夫になってきた。

5診目頃より、
耳鳴りが小さい時間帯が出て来て
6診目には耳鳴りがない日が出てきた。
今回7診目になるが、
耳鳴りが鳴らない日が増えて
耳鳴りを全然気にせず
過ごせる日が多くなってきた。

現在も通院中ではあるが、
耳鳴りのない日の方が多くなってきて
耳鳴りがあっても微かに鳴っている程度に
落ち着いてきたため、
今後は施術間隔を空けながら
メンテナンスで診ていく。

・施術回数
7診

・頻度
週1回

・期間
約1カ月

突発性難聴:
40代  女性  会社員
・初診

突発性難聴

数年前にも突発性難聴を患い、
投薬で改善したが、
今回は薬を服用しても改善せず
不安になり、眠れない日が続いたり
心悸も出るようになる。
仕事先でも男性の声が聞き取り辛く
仕事に支障をきたすようになり
今回施術依頼を受けることに。

 

(問診事項は割愛します)

 

勤め先のストレスや疲れもあるが
現在、婦人科も併せて
治療中ということもあり
ホルモンを調整する薬を服用している
とのこと。薬が合わないのか
薬を服用中は
全身が浮腫むようになる。

心腎不交証と診立て施術。

施術後は脚がよく温もり
スッキリしていた様子。
薬が効かなくても内臓から
体の代謝を変えてゆけば
耳の調子も変わってきます。

・2診(前回施術から18日後)

突発性難聴

耳鳴と耳の閉塞感は
3
4日後には消失し
音もよく聞こえてるようになったので
聴力自体の減退はなかったよう。

左耳は好調だが
左肩が凝るようになり、
2
診目はこちらを診て欲しいと
依頼を受ける。

肩凝りといって侮るなかれ。
この左耳の突発性難聴と
左肩凝りは別物ではありません。
前回施術して左耳に停滞していた気が
下に降りてきた為、
左肩の凝りがきつく感じている
可能性があります。
逆に言うと、この肩凝りを
放っておくと また上気した時に
耳に停滞し塞いでしまう
恐れがあるので

ここで左肩凝りを治めることで
突発性難聴の再発を防げるわけです。

前回に比べ心気は通り
腎気も建っていたので、
今回は肝鬱気滞のみ鍼で捌きました。

 

・3診(前回施術から19日後)

突発性難聴

前回施術から
3
週間近く間空いているが
耳の経過は順調。
肩凝りもマシになっている。
勤務先で色々ストレス抱えることが
多いようだが、耳には影響ない。

突発性難聴の治療は
ひとまず終了とし、
現在 婦人科の治療中とのことなので、
今後はこちらに主訴を切り替え
御体診させて頂きます。

 

・施術回数
3
診(現在も継続中)


・頻度
3
1回ペース


・期間
1ヶ月半(現在も継続中)

耳鳴り・音の反響:
60代  女性  主婦
耳鳴り・音の反響

耳は元々右耳の聴力が
生まれつきない為、
左耳だけの聴力を頼りに生活。
ただ、最近左耳でザーーと耳鳴りが
し始め、音が反響してクリアに
聞こえなくなってきた。
左耳が聞こえなくなると
両耳共に聞こえなくなる為、
当院に体質改善を求め
施術依頼を頂く。

右耳は生まれつき聴力がなかったが、
20代の頃に一度手術を試みた。
結果は変わらず、聞こえないまま。
体質としては幼少期より
胃腸が弱いため、胃炎になりやすい。
甲状腺も弱いとのこと。
平素より肩凝りがきつく、
マッサージしたり温めても
凝りが解消しない。

主人がパーキンソン病を患っている為、
介護のため自分が体を壊せない
という思いが強く
常に気を張っている。

弁証:
肝腎陰虚

治法:
滋補肝腎

・初診
施術後はフワっと脱力して
気持ち良い感覚あり。

2
前回施術より5日後。
耳鳴りや音の反響は変わらないが、
肩凝りがかなり楽になったと伺う。

3
前回施術より6日後。
肩や体も軽くなって
疲れが溜まりにくくなってきたとのこと。
耳鳴りや音の反響はまだ変わらず。

4
前回施術より1週間後。
普段は便秘がちだったのが、
毎日便通があった。
この頃より耳鳴り⑩
音の反響もマシになる。

5
前回施術より1週間後。
体が大分楽になる。
耳鳴⑦
音が反響しなくなった。

6
前回施術より1週間後。
耳鳴②⓪と消失。
音の反響なし。
左耳が大分スッキリした状態になりました。

耳鳴り・音の反響

現在も週1回ペースで継続中。

・施術回数
6
(現在も施術継続中)

・頻度
1回ペース

・期間
1
ヶ月

主訴は耳の症状ではありますが、
耳を改善する為には
体ごと改善させることが
本質的な治療になってきます。

副鼻腔炎:
40代  女性  自営業

副鼻腔炎

44 女性 自営業。
日中は立ち仕事で、
夜は事務的な仕事のため
深夜まで起きていることが多く、
10年以上34時間の睡眠しか
摂れていないとのこと。
半年前から鼻から頭にかけて
重く痛むようになる。

耳鼻科で診てもらうと
副鼻腔炎の疑いと診断を受け
抗生物質を処方されるも、
効果なし。

眉間〜頭部前面にかけて痛み、
仕事に集中できなくなってしまい
投薬での治療に不安を覚え
鍼灸の施術依頼を頂く。

弁証:
腎気の弱りが肺気に影響。
陽明湿痰と気滞が重なって停滞している

治法:
気滞を散らしながら祛湿し、補腎

・初診
施術後、鼻がスッキリ抜ける感覚あり。
頭も同時にスッキリする。
1回ペースで通院して頂く。

2診〜5
施術後は鼻スッキリするが、
34日後には眉間と
頭の痛みの症状が出てくる。
深夜まで起きている習慣を改めてもらい
AM0時前には寝てもらうよう指導する。

6診〜10
施術効果が伸びて来て、
施術後1週間は
スッキリ過ごせるようになる。

11診〜15
頭の芯の方に痛みがあったが、
頭の表面的な痛みに
ニュアンスが変わって来た。

16診〜20
頭の表面的な痛みが
右左と移動するようになる。

21診〜25
鼻よく通り、
頭痛も消失して過ごせるようになる。

 

副鼻腔炎

・その後
調子が良いので月1回ペースに間隔を空け
現在も施術継続中です。

 

・施術回数
25

・頻度
1回ペース

・期間
6ヶ月

 

深夜まで起きないことを
よくよく注意してもらいました。

突発性難聴:
10代  男児  学生

突発性難聴

11 小学校5年生 男子。
学校の昼休憩中
廊下を走っているところ
友達と衝突して転倒。

頭を軽く打ち付けて以来、
右耳にキーンという耳鳴を発症。

病院へ行き、
MRICTで検査するも
頭部に異常なし。

耳鼻科にて
突発性難聴と診断を受ける。
1週間ほど入院し、
ステロイド治療を受けるも
耳鳴改善せず。

退院後は血行促進する薬と
ビタミン剤を処方されるも
耳鳴改善に至らず施術依頼を頂く。

弁証:
転倒による気の偏在

治法:
偏った気血の流れを調気する


・初診
施術後から
頭がスッキリする感覚あり。

施術経過を見たいので
3日後に予約取ってもらう。

2
耳鳴vol.⑤と半減。
キーンサーという音に変わってきた。

手応えがあったので
短期的に通院してもらい
早期改善を目指す。

3
前回施術から3日後。
耳鳴⑤②とラクになり、
時々⓪の時間も出てきた。

サーシーという
静かな音に変化する。

4
前回施術から2日後。
寝る前静かな時に耳鳴①

日中は⓪で気にならない。

5
前回施術から3日後。
日中、寝る前など1日通して耳鳴⓪。

6
前回施術から1週間後。
施術間隔を開けてみたが
耳鳴⓪で治っていた為
定期的な施術は卒業しました。

突発性難聴

 

・施術回数
6

・頻度
23日に1回ペース

・期間
18日間

耳管開放症:
50代  女性  事務職

耳管開放症

仕事中に耳が詰まった感覚と
耳が重たい感覚に襲われ耳鼻科を受診。

耳管開放症と診断を受け
薬を処方されるも
改善の兆しみえず。

症状の特徴として、
夕方以降に耳の奥が重くなり
詰まった感覚になることで聴力減退。

特に男性の低い声が聞き取りにくい。

平素より、貧血気味で
鉄剤を普段から服用している。

弁証:
腎気虚、胃の気の弱り

治法:
補腎気

 

・初診
施術後体がポカポカする感じになる。
聞こえの変化はわからないとのことだったが
1回ペースで続けて診させてもらう。

2
前回施術後、
耳の重みがかなり改善しているとのこと。
重さがない時は聴力も正常。

ただ、45日経過したところで
少し耳が重くなってきた。

3
1週間経っても
耳の調子崩れることなく
軽いまま過ごせた。

4
経過良好。
1週間は良い調子なので
次回より21回ペースに間隔をあけてみる。

・その後
21→31
現在では月1回ペースでメンテナンスで継続中。

 

・施術回数
定期的な施術は4

・頻度
1回ペース

・期間
1ヶ月
(その後はメンテナンスで間隔を空けて診てます)

 

夜更かしする傾向があったため、
これを禁じました。

嗅覚障害:
50代  女性  主婦

 

嗅覚障害

53 女性 専業主婦。

ある日急に料理をしていても
匂いを感じなくなり、
料理を口にしても味気がなくなる。

翌日 耳鼻咽喉科にて嗅覚検査を受け

×甘い匂い(嗅力損失5.5 高度減退)
×焦げた匂い(嗅力損失4 高度減退)

が分からなかった。

◯汗臭い酸っぱい匂い
(嗅力損失0 正常)

◯腐ったような匂い
(嗅力損失0 正常)
は感じ取れたとのこと。

内服薬、点鼻薬を処方され
普段から鼻洗浄するよう指示を受け
耳鼻咽喉科に1ヶ月通院するも
改善の兆しなし。

焦げくさい匂いが分からないと
料理を作る際にいつも以上に
注意を払わないといけないので
疲れる。

医師にこのままだと
手術の可能性も示唆されるが、
手術は避けたい思いで
鍼施術を依頼される。

弁証:
陽明の湿熱と肺腎の陰虚

治法:
清熱利湿し腎陰を補う

 

・初診
施術前、線香の匂いを
嗅いでもらうが
微かに香る程度で
ハッキリとはわからず。

施術後、線香を
かなり近づけた距離なら
香りがわかるようになる。

最初はなるべく週12回は
通院してもらう。

2診〜4
施術後、体もスッキリする感覚あり。
また、普段から便秘症だったが
便通がスッキリ出やすくなってきた。
匂いは変わらず。

線香の香りは
施術直後は鼻に近づけると匂う。

5診〜10
この頃より日常生活で
コーヒーの芳ばしい香りが
微かに分かるようなる。

施術前も線香の香りが
鼻に近づけなくても
微かに分かるようになる。

嗅覚障害

11診〜15
コーヒーの香りは
しっかり匂うようになる。
甘い匂いがまだ近づかないと
わからない。

 

16診〜18
甘い匂いも認識できるようになる。
日常生活において
匂いに関して不自由はなくなり、
耳鼻咽喉科での嗅覚検査でも
全てクリア。

施術に満足されたので18診で終了。

 

嗅覚障害

・施術回数
18

・頻度
12

・期間
1ヶ月

 

なるべく脂濃い食べ物は
控えるよう指導しました。

突発性難聴:
30代  女性  販売員

突発性難聴

仕事中に
突然耳鳴
(ゴーという音)を発症。

しばらく経てば治ると思っていたが
2日経っても耳鳴治らず。

耳鼻科を受診したところ
突発性難聴と診断を受け、
ステロイドを処方されるが、
もともと胃腸が弱いため
副作用が恐いので
友人の紹介で鍼施術を依頼。

弁証:
肝脾不和

治法:
肝鬱気滞を疎肝し建脾す。

・初診
施術中からリラックスした感覚になり
全身スッキリする。
次回1週間後に予約。

2
前回施術後から
耳鳴⑩②へ音量大分治る。

仕事をしてても疲れにくくなり、
体調良く過ごされる。

 

3
前回施術より1週間。
耳鳴②⓪で耳鳴無く過ごされ、
忙しい時に耳鳴出るが、
①で治っている。

 

4
前回施術より1週間。
耳鳴⓪のまま過ごされる。
次回まで10日空けてみる。

 

5
前回施術より10日後。
間隔を空けても耳鳴無く過ごされる。

調子が良いので定期的な施術は終了。

 

・施術回数
5

・頻度
1週間、10日間隔

・期間
1ヶ月

運動する習慣がなかったため
普段から運動してもらうよう指導し
それを実践してもらったのも
早い改善に繋がったのだと思います。