【症例】腱鞘炎・ばね指・本態性振戦など手指の疾患

腱鞘炎・ばね指・本態性振戦など
手指の症例をご紹介します。

手指の痛み:
40代  女性  会社員

・初診

手指の痛み

患部は左母指の第一関節。
指の曲げ伸ばし辛いのと、
朝起床時の痛み・痺れがある。
運動をしている時は指の痛みは感じない。
指の痛みがあるので、
左手は極力使わないように過ごすが
全く左手を使わないわけにはいかないので
日常生活に支障が出ているとのこと。

 

(詳しい問診事項は割愛します。)

 

四診より、気滞血瘀と診立て施術。
指だけでなく全身に力が入っていたが
施術中からよく力が抜けていた。
施術後、指の痛みは変わりなかったが
体が軽くなり全身スッキリされていた。
恐らく施術翌日の朝に
体調の変化を感じると思うので
朝起きた時の指の状態を診てもらう。

 

・3診(前回施術から5日後)
手指の痛み

施術すると指が軽くなる感覚があり、
今まで重かったことに気付く。
母指全体の痛み・痺れだったが、
母指の内側(尺側)だけになってきて
痛み・痺れのきつさは⑧~③とまだ波はある。
痛み・痺れの範囲、きつさ共に
変化が出てきたので
コツコツ施術を重ねていけば
改善できそう。

 

・8診(前回施術から1週間後)
手指の痛み

母指の痛みがなくなり、
強く手を握っても痛み出ず、
仕事中も痛みなく過ごせるようになる。
調子が良いので
定期的な施術はここで終了し
今後はメンテナンスで間隔を空けて
診ていく。

・施術回数
8診

・頻度
週1回

・期間
約2カ月

ドケルバン腱鞘炎(手関節腱鞘炎):
50代  女性  会社員
・初診
ドケルバン腱鞘炎(手関節腱鞘炎)

患部は右手関節橈側。
母指を外転する時に手関節が痛い。
物をつまむ動作でも痛い。
(例:ペンやお箸を持つ動作)
動作時痛以外にも
朝起床時の痛み、雨の日の痛みが
見受けられ、晴れた日や
入浴でよく温まると痛み軽減する。

(詳しい問診事項は割愛します)


痛みのキッカケは外傷性ではあるが

何日経っても改善が診られない場合、
内臓の不調を疑います。
(内臓が元気な場合、2〜3日で
修復している可能性が高いため)

脾と腎の気虚が深いので
これらを同時に扶けてゆく。
施術中から
体の内側からポカポカと
よく温まる感覚あり。
施術直後は痛み変わりなかったが、
少し時間置いた方が浸透して
良く効果が出てきそうなので、
今回はこれで様子見ることに。

 

・3診(前回施術から4日後)
ドケルバン腱鞘炎(手関節腱鞘炎)

・初診施術後、
いつも以上にグッスリ眠れて
翌朝には手関節の痛みが
大分マシになっていた。
熟睡できた日が2日続き、
その後はまた眠りが浅くなってしまい
翌朝、手関節が痛くなる。
鍼をして2日は手関節の痛みラクで
後半2日間は浅眠のため
手関節が痛かった。
従って、睡眠の質次第で手関節の痛みが
変わってくることが立証される。

2診目の施術からは
続けて熟睡できたようで、
継続的に手関節の痛みが
大分ラクになっていた。

まだ少し痛みあるようだが、
このまま良い質の睡眠が摂れれば
痛みが⓪になる日も近いと思います。

・5診(前回施術から8日後)
ドケルバン腱鞘炎(手関節腱鞘炎)

痛みがない日がちょこちょこ出てきた。
痛みのない日に共通しているのが
やはり睡眠の質で、
グッスリ眠れない日は腱鞘炎の痛みが
少し出てくるが、よく眠れた日は
痛みなく過ごせるようになる。

眠りは眠りでも
睡眠導入剤などで強制的に
朝まで眠るようにするのではなく、
自発的にスッと眠れるように
体を整えることが大事になってきます。
(この方は睡眠導入剤は使ってません)

・7診(前回施術から1週間後)
ドケルバン腱鞘炎(手関節腱鞘炎)
母指を動かしても手関節の痛み無し。

物をつまむ動作も問題なし。

引き続き睡眠もよく摂れている。
大分安定感が出てきたので
今回を以て定期的な施術を終了。

 

・施術回数
7診

・頻度
約週1回ペース

・期間
約1カ月半

ばね指:
50代  女性  看護師

【施術前の依頼文】
左親指、ばね指
6/1
頃から
指が伸びにくいことありました。
良くなってきていましたが、
6/26
伸ばすときの痛みが強くなり、
なかなか伸ばせなくなりました。

6/27
整形外科で注射、
親指つけ根の痛みは軽くなりましたが、
曲げ伸ばしの痛みが強いです。

 左母指のばね指。
曲げた指を伸ばすのが激痛。

ばね指

整形外科で痛み止めの注射を
射ってもらい、
しばらく痛みは引いていたが
ここ数日また痛みがジワジワ出てきた。

特に朝〜午前中の痛みがきつい。
ただ、午後20時〜21時になると
治ったかと思う程、痛み消失する。

ばね指

 

動作では画にある通り、
・歯ブラシを持つと痛い
・鍵を持つと痛い
・大きいペットボトル持つと痛い
といったように、
何か小さい物をつまむ、
重たくて大きい物を掴む
動作が痛い。
PM20:00PM21:00は痛くない)

 

仕事で力仕事することが
よくあるので、指が使えないと
仕事が捗らない。

家族の病歴なども問診し
四診してみたところ、
正気の弱りは見受けなかったが
中焦〜下焦にかけて気滞がやや深い。
瘀血までは形成していないものの
気滞を散らしてみると
よく気機が巡り温まってきた。

 

 

・2
前回施術後、家に帰ってから
頭がスッキリと爽快になる。
翌日の朝、いつもと変わらず
左母指の痛みあり。
指が痛いまま過ごし、
その翌日(施術した2日後)朝から
指の痛みが軽減し、
指の動きがスムーズになっている
ことに気がつく。
また、拳を握りしめる
動作が可能になる。

ばね指

以前の痛み⑩⑤と半減する。
気滞もよく緩んでいたので、
初診時の施術方法のまま
2
診目も施術。
理気解鬱を重ねて
どこまで改善できるか?

次回は5日後に来られる予定。

・5
2
診目以降の記録が飛んでいるが、
概ね順調だった模様。

家で力仕事をして手を使い過ぎると
まだ左母指が痛かった。
4
診目に補腎を足してみたところ、
ジワジワ効果が出てきて
施術直後より1週間経った方が
痛みがよく引いていたとのこと。

ばね指

週一回ペースで診ていたが、
間が空いた方がジワジワ効いてくる
可能性が出てきた。
治療効果を検証する為
次回は10日後に予約してもらう。

 

・6
前回施術から10日経過。
間隔空いたが順調に過ごされる。

 ばね指

日常生活での動作では
全く痛みなくスムーズに過ごせた。
力一杯握ったり手を開いたりは
まだしていないが、
恐らく大丈夫そう。

 

・施術回数
6診(現在も継続中)

・頻度
約週1回ペース

・期間
1ヶ月

本態性振戦:
40代  男性  会社員

・初診

本態性振戦

手の震えが主な症状。
2024年×月から出始めたという表現だったが
よくよく問診すると、
学生時代から手の震えはあり、
症状が出たり治まったりを繰り返していた。
今回、手の震えが出始め数カ月経つが
ここまで震えが治まらないのが
初めてだったよう。

×物を持つ動作
×細かい作業
×ペンでの書字
×お箸で食べ物をつまむ

これらの動作時に震えが出る。
手関節を抑えながらだと
震えなしで動作可能とのこと。

 

(詳しい問診事項は割愛します。)

 

四診より肝風内動ではあるが、
腎陰虚もあるし、脾気虚も深いため
同時に補ってゆき経過を診ていく。
肝・腎・脾のいずれかの虚が主体の
症状ではあるが、回数を重ねていく内に
どれが主たるものか判明していくので
今後の動向に注意していきます。

・6診(前回施術から1週間後)

本態性振戦

週1回ペースで診ており、
現在は手の震えが大分マシになってきて
薬の服薬を毎日→3日に1回になっても
大分マシな状態がキープできるようになった。
調子が良いので週1回ペースから
施術間隔を空けて
今後メンテナンスしていく。

・施術回数
6診

・頻度
週1回

・期間
約6週間

ばね指:
50代  女性  パート

・初診

ばね指

患部は左母指、示指、中指。
主に母指の関節が引っかかりがきつい。
手を使う仕事に携わっているため
指が痛いと仕事が捗らない。
整形外科ではもう手術しかないと
診断され、手術は避けたいので
もう通院しなくなったとのこと。

 

(詳しい問診事項は割愛)

 

四診したところ、
胃気の弱りと気滞血瘀の反応がきつい。
胃を建てながら
気滞血瘀を駆逐していく。
足と背部の経穴に施術。
直後は手指がポカポカしていたので
手応えはあった。
また近い日に来てもらうよう
お伝えし初診の施術終了。

 

・4診(前回施術から5日後)

ばね指

ばね指自体の症状は
朝に強張りがキツく感じるようになり、
以前は仕事中も痛かったが
仕事中は指が動けるようになる。
痛みの明暗がハッキリしてきたのは
良い傾向だが、
なかなか気滞が緩まない。
奇経を使った施術を試みたところ、
施術中から今まで以上に全身に得気を
感じられたようなのと、
四診でも気滞が緩んでいたことを確認。
今までで一番手応えはあったので、
今回はこれで様子みてもらう。
(これで効いてなかったらShock
ですが、効いてなければ
また作戦を立て直します)

 

6診(前回施術から4日後)

ばね指

左母指、動かすだけであれば
カクカクせずスムーズになり、
朝起きた時の指の強張りがマシになる。
ただ、何かを掴む動作で
力を入れると指が固まってしまう。

また、夕食後すごい眠気に
襲われるようになってきた。
この方は毎晩 晩酌する
習慣があるようで、いつも
飲んでも眠くならなかったのが
ここ最近は眠くて仕方ないよう。

気滞でガチガチに
体中緊張していたのが、
ここ数診で気滞が和らいできて
臓腑がよく動くようになり、
酒の回りが早くなってきたものと
推測。

脾胃が弱っていると
食後に異常に眠くなる
病的なそれとは別で、
この場合の眠気は良しと診ます。

と言ってもまだまだ気滞がきついので
コツコツ施術を重ねていく必要は
ありそうです。

 

・8診(前回施術から1週間後)

ばね指

母指のばね指は大分マシ。
仕事で手を使う時のみ、
母指が固まることはあるが
激痛はない。
同じ手を使うにしても、
趣味で手を使っている時は
痛みや固まることなく済んでいる。
以前は何をするにしても
母指の痛みがきつかったが、
今はストレスとの因果関係を
自覚的に認識できてきた。

あとは、仕事中に気が張っても
母指の関節が固まらないよう
施術を重ねてゆきます。


・9診(前回施術から1週間後)

ばね指

母指の動きは仕事以外はスムーズ。
仕事で手に力が入る作業の時が
固まってしまうことがある。

また、睡眠が深くなってきて
夜中に起きる回数が減ってきた。
以前までは、
家族が夜中にゴソゴソ動いていると
その度に目が覚めていたが、
最近は気付かずに眠っている。

症状の経過も大事ですが、
睡眠が深くなってきたことも
この場合とても重要だったりします。
というのも、この方の場合、
四六時中 気滞でガチガチで
気が抜けないので、
夜も気を張って寝てるため
少しの物音で目が覚めたりしてました。
ずっと気が抜けないので、
朝になったら体がガチガチに
固まる傾向にあり、
ばね指もその延長にありました。
眠りが深くなった=気が緩んできた
と考えて良いので、
まだ指が固まる時はありますが、
予後良好で、数回のうちに
もっと良くなると思われます。
(逆に症状の経過良くても、
眠りが浅くガチガチに気滞があれば
また再発する可能性があります)

 

14診(前回施術から6日後)

ばね指

前回の治療日誌から1ヶ月近く経つが
その間も週一回ペースで
継続して診ており、
ばね指による左母指の痛みは
大分良くなってきた。

最近は、ばね指よりも浅眠や
ここ1年間で急増した体重のことなど
身体的なケアをしていた。

気滞が緩んできたことで
夜中に何度も起きる事がなくなったり
お腹の緊張も緩んできて
下腹部が前より細くなってきたり、
イライラしなくなったりと
身体的にも精神的にも
スッキリしてきました。

体重も変動出てきたが
まだ1年前の体重に戻っていないので
今後もコツコツと
体のメンテナンスして参ります。


・施術回数

14

・頻度
1回ペース

・期間
3ヶ月