主訴:不明熱
・初診(往診)
患者さんは胎児の時に脳出血し
左半身が片麻痺のため拘縮している。
一度、心肺停止したことがあり、
一命を取り留めたが自発呼吸ができず
気管切開し人工呼吸器を装着している。
そのため、少しでも体調を崩すと
命の危険に見舞われる可能性がある。
今回も1週間近く38℃台の
発熱が続いていた為、
救急搬送されるが、
原因不明の発熱と診断され
解熱剤を投与し熱が36℃台に
引いたため入院せず帰宅。
帰宅後にまた38℃台の発熱が出たため
往診の依頼を受けることになる。
(詳しい問診事項は割愛します。)
今回の往診前に
身内の方を診てましたが、
カゼをひいて体調を崩していたので
カゼが移ってしまい
発熱していたと思われる。
ただ、
現状の発熱はカゼによるものではなく
(医師もカゼ症状ではないと診断)
四診で確認したところ
腎陰の損傷が激しく虚熱が生じている。
実際、夕方~夜に熱が
昂っているようなので滋補腎陰を施す。
脳の障害により喋ることができず
会話やジェスチャーでの意思疎通ができないので
四診で施術前と比較する。
脈診では弱かった脈が取りやすくなっており
腹診では上焦に偏った緊張が和らぎ、
切経では全身の筋緊張が緩んでいた。
望診で表情を見ていると、施術直後から
目がトロンとなり
気持ちよくなっていたので
初診の施術を終える。
その後、親御さんから
“施術直後から熱が引いてゆき
平熱になって穏やかに過ごしている”と
ご報告を頂きました。