【東洋医学用語】四逆

四逆

四逆の”四”は両手両足のことで
”逆”は逆冷(非常に冷たい状態)
(”逆冷”よりも酷い状態を”厥冷”という)

であることから
手足がキンキンに冷えた状態を四逆という。

手足の冷えではあるが、
・陽虚・寒邪・熱邪
・気滞・瘀血・血虚・痰濁
と原因は多岐に渡り
鑑別が大事になってくる。
四逆だからといって
何でも温めれば良いわけではない。
(陽虚・寒邪には一定の効果あり)


四逆,四肢厥逆而不溫者是也。
(明・劉純《傷寒治例・四逆》)

訳:
四逆とは、手足が厥冷になり
温かくないことである。


四逆者,四肢不溫。厥者,手足冷。
夫邪在三陽則手足熱,
傳到太陰則手足溫,
至少陰則逆而不溫,
至厥陰則光之厥,甚於逆也。
(明・王肯堂《證治准縄・傷寒・厥》) 
訳:
四逆とは、
四肢が温まらないことである。
厥とは、手足が冷えることである。
邪が三陽にあれば手足は熱く、
太陰に伝われば手足は温かく、
少陰に至れば逆冷して温まらず、
厥陰に至れば光はその源を絶ち

逆冷よりも甚だしい。

逆者,四肢逆而不溫也;
厥者,冷也,又甚於逆。
四肢者,諸陽之本,
常宜和暖,指頭微寒者,
陽氣衰也。
(明・王肯堂《證治准縄・幼科・厥逆》)

訳:
逆者とは、
四肢が逆にして温まらないことをいう。
厥とは、冷えのことで、
逆よりも甚だしい。
四肢は、諸陽の本であり、
常に和やかに暖かくあるべきで、
指先がわずかに冷えるのは、
陽気が衰えているのである。

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