【漢方】
防風通聖散
“内脂肪を落とす!”
と製薬会社が謳っている防風通聖散は
本当にお腹の脂肪を落とすのか?
組成から見てみて、
その作用を調べてみました。
[組成]
・防風・荆芥・連翹・麻黃・薄荷
・川芎・当帰・白芍・白朮・山梔子
・大黄・芒硝各1.5g
・石膏・黄芩・桔梗各3g
・甘草6g
・滑石9g
防風通聖散は
分類では解表攻裏剤といって、
表証と裏実が同時にある状態に用いる方剤で、
疏風解表・清熱・攻下の効能があります。
防風・荆芥・麻黃・薄荷は、
風邪を発汗で解表します。
大黄・芒硝で熱邪を通便によって瀉下し、
石膏・黄芩・連翹・桔梗で肺胃の熱を宣泄し、
山梔子・滑石で熱邪を小便で排除すので
裏熱を清熱する作用が多いです。
養血活血の川芎・当帰・白芍、
健脾燥湿の白朮、
和中緩急の甘草、
脾胃を護り正気の損傷を防ぐ作用があります。
こう内訳を見てみると、
清熱が主体の内容になってます。
で、果たしてこれが
本当に痩せる漢方なのか?
と言われれば、どうでしょう。。
裏に湿熱が篭り易い人は
瀉下してスッキリしますが、
それで痩せるかどうかは微妙です。
そもそも、表証と裏熱がある
実証の人向けで
痩せる目的の方剤ではないです。
気虚・陽虚体質の人には向いてないですね。
あと、下す作用が強いので妊婦さんはNGです。
脾胃を護る成分はありますが、
あくまで清熱主体の漢方なので
ずっと飲みすぎるとお腹下しちゃうんじゃないでしょうか?
服用の仕方には気を付けた方が良さそうです。
参考資料:
『中医臨床のための方剤学』
『中医臨床のための中薬学』
神戸中医学研究会
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