【漢方】加味逍遙散

加味逍遙散

【漢方】
加味逍遙散

更年期障害やPMSなどで
よく使用される加味逍遙散について
組成からその作用を調べてみました。

[組成]
・柴胡・当帰・白芍・茯苓・白朮
・炙甘草・煨姜・薄荷・牡丹皮・山梔子

加味逍遙散は
分類では調和肝脾剤(ちょうわかんぴざい)といって、肝鬱血虚でさらに
化火した状態に用います。

その作用は、

疏肝解鬱=柴胡
疏散条達=薄荷
養血活血=当帰
養血斂陰=白芍
これらで調肝に働き

健脾=白朮・茯苓・炙甘草
苦温=煨姜
これらで健脾していく。
(ここまでが逍遥散の効能)

さらに、
清肝火=牡丹皮
清熱瀉火=山梔子
で瀉火してゆく。

字の如く、逍遥散という漢方に
牡丹皮・山梔子を加味したものですが、
逍遥散で肝脾を優しく整えようと
しているところに強力な瀉火作用をもつ
牡丹皮と山梔子が仲間入りしてきた為、
清熱瀉火作用がメインになって、
健脾作用が弱くなってる気がします。
(※個人的な感想です)
“味変したら別料理になっちゃった”
という感覚(※これも個人的な感想です
)
なので、
逍遥散と加味逍遙散では全く別物と

考えた方が宜しいと思います。

”更年期障害やPMSに効く漢方”
という謳い文句で
売ってるのをよく見受けますが、
肝鬱化火している方であれば
男性にも有効な漢方でございます。

肝脾の漢方ばかりになっている為、
次回はまた違う臓腑に働きかける
漢方の解説をしようと思います。

 

参考資料:
『中医臨床のための方剤学』
『中医臨床のための中薬学』
神戸中医学研究会

『中医弁証学』
東洋学術出版社

『症状による中医診断と治療』
燎原書店

関連記事

【漢方】芍薬甘草湯“こむら返りの漢方”という謳い文句で有名な漢方ですが、組成から見てみて、その作用を調べてみました。[組成]・白芍 12g  ・炙甘草 12g芍薬甘草湯は分類では調和肝脾剤(ちょうわか[…]

芍薬甘草湯

関連記事

【漢方】当帰芍薬散不妊治療や貧血でよく使用される当帰芍薬散について組成からその作用を調べてみました。[組成]・当帰 9g  ・白芍 15g ・茯苓 12g・白朮 12g ・沢瀉 9g ・川芎 6g当帰芍薬[…]

当帰芍薬散

関連記事

【漢方】防風通聖散"内脂肪を落とす!"と製薬会社が謳っている防風通聖散は本当にお腹の脂肪を落とすのか?組成から見てみて、その作用を調べてみました。 [組成]・防風・荆芥・連翹・麻黃・薄荷[…]

防風通聖散