【漢方】
当帰芍薬散
不妊治療や貧血でよく使用される
当帰芍薬散について
組成からその作用を調べてみました。
[組成]
・当帰 9g ・白芍 15g ・茯苓 12g
・白朮 12g ・沢瀉 9g ・川芎 6g
当帰芍薬散は
分類では調和肝脾剤(ちょうわかんぴざい)といって、
肝血不足で肝気を抑制できず
脾虚湿滞に乗じて肝気が横逆し発生する、
肝脾不和の症候のときに用います。
その作用は、
補血柔肝=当帰・白芍
活血=川芎・当帰
疏肝理気=川芎
これらで調肝に働き
(補血調肝)
健脾=白朮・茯苓
甘淡利湿=沢瀉・茯苓
これらで健脾し湿邪を除いていく。
(運脾除湿)
分類としては以前書いた芍薬甘草湯と
同じ調和肝脾剤で
当帰芍薬散も肝と脾に働きます。
2つとも同じような作用ではあるが、
芍薬甘草湯と当帰芍薬散の違いを
肝の作用だけで比較してみると
芍薬甘草湯は肝の補血作用重視する一方、
当帰芍薬散は補血もしながら
滞血しないよう活血・疏肝理気
(血が滞らないよう気血を流す作用)
といった作用もあります。
貧血のため当帰芍薬散を処方される
パターンをよく見受けます。
当帰芍薬散で肝の蔵血に作用はしても、
そもそも気血を生化する脾胃が弱って
血の生成がうまくできず
結果的に貧血に陥っている場合は
こちらを重視しなければなりません。
他にも、血の生成はできているが
運化ができずに貧血になる場合や
貧血と一口に言っても肝だけでなく
他にも色々診なければならないことがあります。
参考資料:
『中医臨床のための方剤学』
『中医臨床のための中薬学』
神戸中医学研究会
『中医弁証学』
東洋学術出版社
『症状による中医診断と治療』
燎原書店
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