麻木とは皮膚が痺れたり
知覚が消失したことで
痺れ感・知覚麻痺に相当する。
不仁も同義である。
麻則屬痰屬虛,木則全屬濕痰死血,
一塊不知痛癢,若木然是也。
(清·張璐《張氏醫通·麻木》)
訳:
麻は痰と虚に属し、
木は湿痰と死血に属する。
痛みも痒みも感じない、
まるで木のように動かない状態である。
(清・張璐『張氏医通・麻木』)
麻木之證,有但麻而不木者,有麻木兼作者。
麻為輕而木為重,木則不知痛癢寒熱,
即經所謂不仁也。
(清·顧松園《顧松園醫鏡·症方發明·卷十三·痹》)
訳:
麻木の症状には、
麻のみで木がないもの、
麻は軽く、木は重い。
木は痛み、痒み、寒熱を感じない。
すなわち経典でいう「不仁」である。
(清・顧松園『顧松園医鏡・症方発明・巻十三・痹』)
麻木,非一病也。麻者,非癢非痛,
肌肉內如小蟲亂行,按捺愈甚者是也。
木者,非癢非痛,按搔不覺者是也。
然有久暫之分,暫時麻者,或因坐臥失所,
阻抑營衛,血行既滯,氣亦未至故也。
暫時木者,亦因坐臥失所,又著寒氣,
營衛不相連,血亦不行,氣又不至故也。
麻之久者,必內氣虛甚,風痰湊之,
肌肉中為風痰所據,陰陽二氣失其運行,
安得不麻木之久者,乃死血凝滯於內,
外挾風寒,又因氣虛不能運動,所以為木也。
(明·王肯堂《醫學津梁 · 卷一·麻木》)
訳:
麻木は一つの病ではない。
麻とは、痒くもなく痛くもなく、
肌肉の中に小さな虫が這い回るような感覚で、
木とは、痒くもなく痛くもなく、
掻いても感じないものである。
しかし、一時的なものと長期的なものがある。
一時的な麻は、
営衛が阻害され、血行が滞り、
気もまだ届いていないためである。
一時的な木も、座り方や寝方が悪く、
さらに寒気に触れ、営衛が繋がらず、
血も流れず、気も届かないためである。
長期的な麻は、内気の虚が非常に強く、
風痰が侵入し、肌肉の中が風痰に占拠され、
長期的な麻木は、死血が体内に凝滞し、
外から風寒が侵入し、さらに気の虚により
運動できないため、
(明・王肯堂『医学津梁・巻一・麻木』)
麻者木之輕也;木者麻之重也。
(明·申鬥垣《外科啓玄·卷一·明瘍痛癢麻木論》)
訳:
麻は木の軽いものであり、
木は麻の重いものである。
(明・申斗垣『外科啓玄・巻一・明瘍痛痒麻木論』)
手之麻木,乃氣虛而風濕中之,
必須用手經之藥,引入手中,
而去風去濕之藥,始能有效,方用白術,
黃芪各五錢,人參二錢,陳皮,防風,
桂枝各五分,甘草一錢,水煎服。
方中黃芪、人參,白術補氣去濕,防風去風,
然必得桂枝,始能入於手經也。
經絡既清,自能奏功。
(清·陳士鐸《石室秘錄》)
訳:
手の麻木は、気が虚して
風湿が侵入したものであり、
必ず手経の薬を用い、手の中に導き入れ、
風湿を除く薬を用いて初めて効果がある。
処方には白朮、黄耆各五銭、人参二銭、
陳皮、防風、桂枝各五分、甘草一銭
を水で煎じて服用する。
処方中の黄耆、人参、白朮は
気を補い湿を除き、防風は風を除く。
しかし、桂枝があって
初めて手経に入ることができる。
経絡が清まれば、自然と効果が現れる。
(清・陳士鐸『石室秘録』)
麻木,營衛滯而不行之症,
如人坐久,壓著一邊,亦為麻木。
東垣以為氣不行,當補肺氣,丹溪以麻為氣虛,
木為濕痰敗血。於不仁中,確分為二,
蓋麻雖不關痛癢,只氣虛而風痰湊之,
如風翔浪沸。木則肌肉頑痹,濕痰挾敗血,
阻滯陽氣,不能偏運,為病較甚,
俱分久暫治之,治麻以氣虛為本,
風痰為標,用生薑為響導。
枳殼開氣,半夏逐痰,羌活、防風散風。
木通,威靈仙,白僵蠶行經絡,手臂用桑枝,
足股用牛膝,病減用補中益氣湯,重加參,
蓍以固本。治木以桂附為嚮導。
烏藥,木香行氣。
當歸,杞子,桃仁,紅花和血。
穿山甲,牙皂通經絡。
病減用八珍湯以培虛。
(清·林佩琴《類證治裁·麻木》)
訳:
麻木は、営衛が滞って流れない症状である。
人が長く座っていて、
片側が圧迫されると、麻木になる。
東垣は気が流れないため、
肺気を補うべきだと考え、
木を湿痰敗血とした。
不仁の中ではっきりと二つに分けられた。
麻は痛みや痒みに関わらないが、
気虚で風痰が侵入し、風が波を立てるように沸き立つ。
木は筋肉が頑固に痺れ、
陽気を阻害し、偏って運行できないため、
病状はより重い。
いずれも一時的なものと
長期的なものに分けて治療する。
風痰を標とし、生姜を響導として用いる。
枳殻は気を開き、半夏は痰を追い、
羌活、防風は風を散らす。
木通、威霊仙、白僵蚕は経絡を通し、
腕には桑枝、足には牛膝を用いる。
病状が軽減したら補中益気湯を用い、
人参、蓍を加えて本を固める。
木の治療は桂附を向導とする。
烏薬、木香は気を巡らせる。
当帰、杞子、桃仁、紅花は血を和らげる。
穿山甲、牙皂は経絡を通す。
病状が軽減したら八珍湯を用いて虚を補う。
(清・林佩琴『類証治裁・麻木』)
麻木,風虛病亦兼寒濕痰血病也。
……麻木皆有久暫,暫時雖因氣血不足,
未足為病,若用重劑,反損真元。
…..夫痰本不能作麻,為風吹,
如波浪沸騰而起,陰陽失運行之柄,
安得不麻。仲景身如蟲行,汗多亡陽也,
則知氣虛是本,風痰是標。
(清·沈金鰲《雜病源流燭·麻木源流》)
訳:
麻木は、風虚病であり、寒湿痰血病も兼ねる。
……麻木にはいずれも
一時的なものと長期的なものがある。
病と呼ぶほどではなく、
重い薬を用いると、
…..そもそも痰は麻を起こすことはできないが、
陰陽が運行の柄を失うため、
麻にならないわけがない。
仲景の「身如虫行、汗多亡陽」とは、
気虚が本であり、風痰が標であることを知る。
(清・沈金鳌『雑病源流燭・麻木源流』)
脾主身肌肉,……脾氣熱,
則胃乾而渴、肌肉不仁。
….有漸於濕,以水為事,若有所留,
居處相濕,肌肉濡漬,痹而不仁。
(戰國·《黃帝內經素問•痿論》)
訳:
脾は身の筋肉を主る。
……脾気が熱すると、胃が乾燥して喉が渇き、
筋肉が不仁となる。
….湿に漸進し、水を事とし、
留まるものがあるかのように、
住居が湿り、筋肉が濡れて浸され、
痺れて不仁となる。
(戦国・『黄帝内経素問・痿論』)
邪在於絡,肌膚不仁。
(漢·張機《金匱要略 · 中風歷節病脈證治》)
訳:
邪が絡にあると、肌膚不仁となる。
(漢・張機『金匱要略・中風歴節病脈証治』)
血痹病從何得之?
師曰:夫尊榮人,骨弱肌膚盛,重因疲勞汗出,
臥不時動搖,加被微風遂得之。
……血痹陰陽俱微,寸口關上微,尺中小緊,
外證身體不仁,如風痹狀,黃芪桂枝五物湯主之。
(漢·張機《金匱要略·血虛勞病脈證治》)
訳:
血痹病はどこから来るのか?
師曰く:尊貴な人は、
骨が弱く肌膚が盛んで、
寝ている間に動かず、
わずかな風に当たるとこれを得る。
……血痹は陰陽ともに微弱で、
寸口関上は微弱、
外証は身体不仁で、風痹のようである。
(漢・張機『金匱要略・血虚労病脈証治』)
風不仁者,由榮氣虛,衛氣實,
風寒入於肌肉,使血氣行不宣流,
其狀搔皮膚,如隔衣是也。
診其寸口脈緩則不仁,不仁脈,
虛數者生,牢急疾者死。
(隋·巢元方《諸病源候論·風不仁候》)
訳:
風不仁とは、営気が虚し、衛気が実し、
風寒が筋肉に入り、
血気の運行が宣流しないためである。
その症状は皮膚を掻いても、
服の上から掻くような感覚である。
その寸口脈が緩であれば不仁である。
不仁の脈は、虚数であれば生、
牢急疾であれば死。
(隋・巣元方『諸病源候論・風不仁候』)
不仁為不柔和,《內經》謂之肉苛是也。
以其氣血虛少,不能周流於身,
為邪氣所伏,是以肌體頑麻,
不知痛癢,厥如死屍,而且郁冒也。
(清·張璐《傷寒緒論·不仁》)
訳:
不仁とは柔和でないことであり、
『内経』では肉苛という。
その気血が虚少で、全身を巡ることができず、
邪気に伏せられ、そのため肌体が頑固に麻痺し、
痛みも痒みも感じず、
まるで死体のように、しかも鬱冒する。
(清・張璐『傷寒緒論・不仁』)
仁者,柔也。不仁者,言不柔和也。
為寒熱痛癢俱不知覺者也。
(金・成無己《註解傷寒論·平脈法》)
訳:
仁とは、柔である。
不仁とは、柔和でないことを言う。
寒熱痛痒を全く感じない状態である。
(金・成無己『注解傷寒論・平脈法』)
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